“テクノロジーにかける情熱が世界を変革させる力となる”

株式会社ジーニー
代表取締役社長
工藤智昭

インタビュー: 2014/06/27

早稲田大学大学院(理工学研究科情報ネットワーク専攻)卒業。大学院在学中にネットベンチャー企業を経営し、卒業後は株式会社リクルート(現・株式会社リクルートホールディングス)に入社。事業開発室にてアドネットワーク事業推進を行い、国内最大のエリアアドネットワーク構築を手掛ける。2010年4月に株式会社ジーニーを設立し、代表取締役社長に就任。

生年月日:
1981年
出身:
神奈川県
出身校:
早稲田大学大学院

- 幼少の頃のお話をお聞かせください

子どもの頃の出来事で、現在につながっていると思うことが2つあります。まず1つ目は、農業を営んでいた祖母の家での体験です。収穫期には大勢のアルバイトの方々が働いており、私もよく一緒に出荷の手伝いなどをしていました。それが、ビジネスというものを直接的に意識するきっかけになったと思います。もう1つは、小さい頃、非常に体が弱かったことです。体調を崩して救急車で搬送されることもよくありました。そんな中、強く考えるようになったのが「自分の人生をどう生きるか」ということです。一度きりの人生を精いっぱい生き抜きたい、何かすごいことを成し遂げたいと、子どもながらに思っていました。

- 学生時代に一度起業していらっしゃるとか?

大学院で情報ネットワークを専攻するかたわら、ビジネスと研究のどちらが自分に向いているのかを見極めようと、SEO関連の事業を立ち上げました。自分が一流になれるのはどちらの分野だろうと考え、両方とも本気でやりましたよ。結果、私は研究のことをずっと思い続けることができず、ビジネスのことであれば四六時中、本当に寝ても覚めても考えていられる、考えることが苦にならない、むしろ楽しいと思える、という結論に至りました。これをきっかけに自分の中で、「どれだけそのことを考え続けられるか」という一流になるための条件を見つけることができましたね。

- どのような経緯でジーニー設立に至ったのですか?

学生時代に行っていた事業もそれなりの利益は出ていました。そのおかげで、散々遊んだりもしたのですが(笑)、すぐに「自分が求めていたものはこれではない」と気付きました。このまま事業を続けても、きっと世の中に無数にあるベンチャー企業の一つとして埋もれてしまう。子どもの頃に思った「人生を精いっぱい生き抜く」という原点に立ち返り、テクノロジーの力で世界を変えるようなイノベーションを起こしたい。さらにその上で、短期間で会社を成長させられるような実力を身につけたいと考えるようになったのです。そこで、事業を成長させる組織作りの方法を学ぶため、株式会社リクルート(現・株式会社リクルートホールディングス)に入社。端的に言うと、どうすれば売上高100億円の会社が作れるのかを知りたかったんです。リクルートでは事業開発室に配属となり、事業の立ち上げや組織の動かし方なども一通り学ぶことができました。そして事業を成長させる仕組みも分かってきた頃、インターネット広告の世界では、RTB(Real Time Bidding)のような新しい技術が生まれていました。学生時代からずっとオンライン広告に携わってきた私にとってはもっとも得意とするフィールドでしたし、業界として急成長する中でベンチャーでも世界と勝負することができる。まさに起業するには絶好のタイミングだと考え、ジーニー設立を決意しました。

- 目指すビジョンをお聞かせください

私たちが目指すのは、研究開発の成果がダイレクトにつながる事業です。独自の研究開発をベースにした事業というのは、つまり他社には決して真似のできないものです。そのためにもテクノロジーを極める姿勢というのは大切にしたいですね。当社には博士号を持つ社員など、研究者が何人も在籍していますし、社外の専門家と話す機会も多いのですが、テクノロジーについて深く語り合うのはやっぱり楽しいですよ。さらにそのテクノロジーで世の中を変革していく、そんな会社にしていきたいと思っています。設立から4年が経ち、まだまだ理想とする姿には遠いのですが、一歩ずつ確実に近づいていると実感しています。

- 社内で大切にしている考え方はありますか?

ジーニーでは、「アドテクノロジーで世界を変える」というミッションのもと、8つのバリューを定義しています。その中で筆頭にあげ、もっとも重視しているのが「Commitment(コミットメント)」です。職種を問わず、「自分が会社を支えているんだ」という強い気持ちと最後までやり切る達成意欲を持っている人が多いですね。私も、そういう熱い気持ちを持った人と一緒に働きたいと思っています。何度も言うようですが、人生は一度きりです。当社には、新しいことにチャレンジする機会はたくさんあります。そこそこの成功で満足するのではなく、さらにもう一段上の高みを目指す情熱を求めたいと思います。

- 今後の事業展開についてはどのようにお考えですか?

まずは近い将来、上場を視野に入れています。そして10年後くらいには、売上高1,000億円規模の企業に成長させることを目標にしています。グローバル展開についても設立当初から進めており、現在は約500社の海外企業と取り引きさせていただいています。年内にはさらに海外拠点を増やしていきたいですね。実は海外展開を始めた当初は「リソースが分散される」という反対の声も多くありました。でも私はやるべきだと思いましたし、やってよかったと思っていますね。そもそも私、「ベンチャーが挑戦しないで他に何をするんだ!?」という考えが根本にあるんです。

- ご苦労された経験があれば教えてください

常にチャレンジを続ける分、失敗も多いです。でも、何があってもビジョンを変えることは決してありませんし、諦めることもしません。以前大きなシステムトラブルが起こって社内の雰囲気が悪くなり、何人もの退職者を出してしまったことがあります。でも一方で、情熱を持った多くの社員は残ってくれました。やはり同じ志を持ち、目指すビジョンが共通しているからこそ、良い時も悪い時も一緒にやっていけるんだと思います。

- 起業を志す人へのメッセージをお願いします

起業したいと思うなら、まずはやってみるべきでしょう。実際に起業して初めて分かることがたくさんあります。会社を経営する大変さや、自分が立ち上げた事業でどれだけ売上を生むことができるのかということも、やってみなければずっと分からないままですから。

- 大切にしている言葉があれば教えてください

「一生懸命」、この言葉に尽きます。クライアントに対しても社内に対しても真剣に向き合い、一つ一つの物事に一生懸命取り組む。誰よりもまず自分自身が一生懸命になる、ということをいつも意識しています。

他の経営者インタビュー