“「ありがとう」でつながり、本気で世界平和を目指す!”

株式会社オウケイウェイヴ
代表取締役社長
兼元謙任

インタビュー: 2014/07/25

大学卒業後、株式会社GK京都、株式会社ダイワ、株式会社イソラコミュニケーションズを経て、1999年7月に創業、2000年1月にQ&Aサイト「OKWave」(旧OKWeb)を開設。2006年6月、名古屋証券取引所セントレックスに株式上場し、2008年3月には米マイクロソフトと資本・業務提携を果たした。

生年月日:
1966年
出身:
愛知県
出身校:
愛知県立芸術大学

- 「OKWave」というサービスはどこから?

私は、在日韓国人3世として日本で生まれ育ったのですが(※現在は帰化)、子供の頃はずいぶんいじめられました。人が怖くなって、心まで元気を失い、入院してしまうほど。確かに、人はそれぞれいろんな意見をもっていて当然です。ですが、たいてい人というのは色めがねをかけて人を判断してしまうもの。そこで、その色めがねをはずすにはどうしたらいいのかを徹底的に考えたのです。そして、「お互いに色めがねをはずし、素直にわからないことを聞ける場があればいいのではないか」と思い描くようになりました。トヨタの大野さんも、疑問に思うことは「なぜ(Why)を5回繰り返せ」とおっしゃっています。なぜこうなるのか?なぜミスをしたのか?など、その原因を徹底的に追求していけば、必ず策がみつかる。私も、そんな思いで自分がやりたいのはQ&Aサイトなんだというところにいきついたというわけです。

- 苦しいとき、不思議な出会いがあったそうですね

辛いいじめにあって、心が折れてしまった時、手相をみられるというおばあさんと出会い、「あなたは今、つらい状況にあるかもしれないけれど、未来は絶対によくなるから大丈夫。すべてはあなたのせいじゃない」と話してくれ、すーっと気持ちがラクになったのを覚えています。このおばあさんが、私にいい意味で色めがねをかけさせてくれたのです。すると、それまで灰色にみえていた世界が少しずつ色を取り戻し、気づけば人と一緒にいる方が安心できるようになりました。たとえば、雨=嫌と思うのではなくて、雨がふれば草木が喜ぶ、そういう楽しい色めがねに変えれば、毎日はもっとワクワクするはず。人は、95%のうまくいっていることよりも、5%のうまくいっていないことにフォーカスしてしまいがちですが、その5%のことは忘れてしまっても大丈夫。今では常々、うまくいっていることにフォーカスをあてて過ごしていますよ。

- オウケイウェイヴの創業当時について教えてください

創業前の私は、妻から急に離婚届を突きつけられ、罪滅ぼしの気持ちでホームレス状態の生活を2年間送っていました。ですが、オウケイウェイヴのサイトをスタートするにあたって、もう一度やりなおしたいと妻に会いに行ったところ、離れて暮らす家族へ送っていた生活費を妻がすべて貯めていてくれ、そのお金をサイトの制作費に充てることができたのです。けれど、2期までは赤字。それが3期から黒字となり、現在では、登録者250万人、毎月4000~5000万人の方が訪れるサイトに成長することができました。

- 黒字に変換できたきっかけとは?

2年の赤字が続いた時、出資してくれていた楽天の三木谷さんから「赤字は悪」「社長を交代した方がいいのでは?」といわれてしまいました。ただ、私は「本当にいいものをつくっているのだから、もっと見守ってほしい」と反発。すると、「人は本当に欲しいと思うサービスならお金を払ってでも必ず使ってくれる」と、さらにお叱りを受けることになり、ぐうの音も出ない状態に…。そこから、マネージメントなどについて徹底的に学び、そんなサービスにしなくてはいけないと腹をくくりました。すると、大手メーカーの社員の方の目に留まり、NTTが一緒に事業をやっていこうと声をかけてくださり、きちんとお金がまわるシステムを改めて構築することができ、黒字転換となったのです。

- 数あるQ&Aサイトと御社の違いとは?

当社のサイトは、先ほどもふれたように、色めがねをはずして、いろいろな人のために自分の知っていることを話そうという精神があふれているサイト。我々はこのサイトを通して本気で世界平和を実現させたいと思っています。そんな目標をもっている企業って、なかなかないでしょう?けれど、色めがねをはずせば、競合がいるということはありがたいこと。まず、負けまいと思って免疫力が高まり、競争力も強くなります。一方で、100年、200年企業を生存させることがいいとは思っていません。時代は常に新しいものを求め、イノベーションしながら形を変えていきます。もちろん、必要なサービスなら続くでしょうが、企業というのは続けることが目的ではなく、今の時代に必要なサービスを提案していくのが大事だと思っています。

- 社内の文化について教えてください

オウケイウェイヴのサイト上でもそうですが、社内でも「ありがとう」が飛び交っています。それは社内制度にも生かされていて、オンライン上で「ありがとうカード」を社員同士が交わす機会をもうけています。たとえば、AさんがWEBデザインでわからないことがある。けれど、Bさんにとっては、「それ、Rを抜くだけだよ」というちょっとしたこと。こういった各々が持つ解決方法を共有すると、Aさんにとってはとてもありたがい情報になり、尚且つBさんにとっては自分のスキルが誇れるものであることを再認識できるのです。そして、最後にはありがとうカードで気持ちまでつながるというわけです。

- 他にもユニークな社員制度はありますか?

社長や役員に「何でも言っていい制度」というものをもうけています。最初は空気清浄機が欲しい、パソコンが少ない…といった改善要求ばかりだったのですが、少しずつ会社の方向性だったり、このサービスはどう思うか?といったディカッションが活発に行われるようになってきました。私は一緒に働くなら、何事も他人事でなく自分事で考えられる人、人のことを思いやれる人を求めているので、いろいろな制度を通し、お互いを大事にできる社風が育てばいいと考えています。

- 兼元社長にとって起業とは?

どんな事業で起業するかは、外側でなく、自分の中から出てくるものだと思います。自分は何に対して問題意識を感じているのか、日々どんなことを思っているのか、そんな自分の気持ちと対話することで、やらなきゃいけない何かがみえてくるはずです。それがみつかったら、やはり起業した方がいいと思いますね。そして3年は続けてみる。それぐらいやらないと、自分にその事業があっているかどうかもわからないですし、次に別のことをやるにしても、活かせるものがみつからないと思います。

- 好きなものについて教えてください

ドラッカーなどの経営の本も好きですが、一番気にいっているのは、SF小説「エンダーのゲーム」。1985年に書かれた話なのですが、みんなが掲示板をみて喜んでいるとか、まるで現代の生活をみてきたかのように、今を予言しているような楽しい作品。映画にもなっているので、先に映画をみてから本を読むのもおすすめですね。

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