“「ソーシャルアプリ開発」で国内外ゲーム界をリードする”

株式会社enish
代表取締役社長
安徳孝平

インタビュー: 2014/08/29

1996年イェルネット取締役を経験。その後、ソーシャルアプリの開発・運営を行うSynphonie(現enish)を2009年に設立し、代表取締役に就任。2011年に取締役プロダクト本部長となり、2014年3月に再び代表取締役に就任。『ぼくのレストラン』の人気シリーズを筆頭とし、今秋配信決定の『千年の巨神』など、注目のソーシャルアプリゲームが続々とリリースされている。

生年月日:
1971年
出身:
東京都
出身校:
千葉大学

- 起業に至る経緯を教えてください

もともとは、一緒に会社を立ち上げた公文善之とヤフー向けのオンラインスケジュール管理サービスを開発していました。それをヤフーに買い取ってもらい、そのまま入社したというわけです。ヤフーでは8年間働いていたのですが、気づくと社員数5000人というあまりにも大規模な会社になりすぎていて、何をやるにしても承認をとって…という流れで、なかなか仕事がスピーディに進まなくなってしまったのです。そこでもう一度、起業して自分たちでまた何かを作り出したいと思うようになりました。

- 再び起業して何をやろうと思われたのでしょう?

最初はビジネスソリューション系のサービスをやろうと思っていましたが、どうやら世の中はソーシャルゲームが流行っているというのを聞きつけ、だったらやってみようということに。当時はSNSプラットフォームのオープンが始まった頃で、まずはミクシィさんなどのソーシャルサービスにゲームを提供しました。いきなりゲーム開発会社になったわけですから、もう無我夢中でつくっていたという感じですね。

- その後、大ヒットゲームを生み出されたというわけですね

WEBサービスだけでは、なかなか課金することは難しいのが現状。それをどうしたら、ユーザーがお金を使ってまでゲームをやりたいと思うか。そういったことについて徹底的に学び、ヒットに結びついたと思います。また現在、日本だけでなく中国や韓国でもゲーム配信を進めているのですが、国によって反響のいいゲームが全然違うんです。そのため、国ごとのニーズや思考の違いに合わせて、ゲームの仕組みを変える工夫を行っています。

- 国ごとにヒットの法則など、あるのでしょうか?

ゲームの世界における絵のクオリティは、どこの国でもあまり差がないように思います。ただ、何が流行るかについては、どんなにゲーム開発の実績があっても予測不可能だと思いますね。まったく予想していなかったものが流行る、なんてことは多々ありますし。ですから当社では、ゲームのジャンルを固定化することなく、さまざまなジャンルのものを一度にリリースします。そうすることで着実にヒットを得て、それをシリーズ化して育てていくという流れをとっているというわけです。

- 新作ネイティブアプリのリリース予定を教えてください

スマートフォン向けのマンガRPG「千年の巨神」が、今秋配信予定です。かわいくて個性的なモンスター達と共に、巨神をめぐる旅が舞台。特徴は、友達とゆるっと協力しあえる援軍システムを採用しているところですね。“拠点”や“ホーム”を強化し、奥深いやり込み要素が盛りだくさんの仕上がりになっています。すでに7月末から事前登録を開始しているのですが、開始後わずか1週間で2万人に到達し、先日4万人を突破しました。多くの方々にご興味をもっていただき、開発者ともどもたいへん喜んでいます。

- 会社の文化について教えてください

目指しているのは、ものをつくる人達が働きやすい職場。常に情報やコミュニケーションをオープンにし、風通しのいい雰囲気になっているかを気にしています。上下関係もないので、アイデアを出しあう会議で私が提案したものが却下されるなんてこともザラにありますよ。また、長時間働くことは生産性が落ちてしまうため、あまりいいと考えていません。もちろん、ゲームのリリース前などの忙しい時期はしょうがないとしても、いいものをつくるために心地よく働ける環境を整えることが大切だと思っています。

- 優秀な人材はどのように集めていますか?

ネイティブ開発の経験者というのは、いろいろな会社で取り合いの状態。優秀な人をとりたいという気持ちが強いですが、それ以上にチームワークを大切にしている人、ロジカルに考えられる人を求めています。会社がまだまだスタートしたばかりの時は、人材集めに苦労しましたが、会社が大きくなり、恵比寿の小さなビルからこちらの六本木ヒルズのビルに移転してからは、求人の応募者が一気に増えました。やはり、オフィス環境というのは大事なんだと改めて実感しています。

- 起業とはどういうものだと思われますか?

起業はつらいものだと思います。私の場合は1人じゃなく2人でやってきたので、一方が落ち込んだら一方がサポートするというかたちでなんとかやってこられましたが、想像以上につらいことが多いです。起業を目指そうと考えている方は、自分にそのつらさが耐えられるかどうか、見極めてからスタートした方がいいと思います。現在、共同パートナーの公文はクリエーターとして現場で活躍していますが、私は主に経営をみています。そういった役割分担をできるパートナーと組むのも、起業への近道かもしれませんね。

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