“質の高い旅行情報を発信する「共和国」としてのプロ集団”

株式会社ベンチャーリパブリック
代表取締役社長CEO
柴田啓

インタビュー: 2014/09/30

慶應義塾大学法学部卒業後、三菱商事株式会社に入社。1996年から2年間、アメリカハーバード大学のビジネススクールに留学中にインターネットビジネスに出会い、起業を志す。2001年、インターネット上での販売促進支援事業を目的とした、株式会社ベンチャーリパブリックを設立。現在は旅行分野に集中し、「Travel.jp」「Hotel.jp」の2つの情報サイトを運営。ユーザーのための「究極の消費応援メディア」を作り上げるべく成長を続ける。

生年月日:
1966年
出身:
東京都
出身校:
慶応義塾大学

- 幼少期はどんなお子さんでしたか?

いろいろなことに興味を持つ、好奇心の強い子どもでした。両親が外国人向けのマンションを経営していたので、小さい頃から比較的異文化に触れる機会も多くありましたね。そのせいもあって、特に海外文化への興味は高かったと思います。

- 起業のきっかけはアメリカ留学だったとか?

商社に勤めていた1996年頃、アメリカのビジネススクールに留学しました。当時のアメリカは、ドットコムバブルといわれたIT・インターネットビジネスの勃興期。アマゾンなどの新興企業が次々と設立され、それらのネットビジネスを学ぶ講座を受講したことが大いに刺激になりました。さらに、私自身のインターネットユーザーとしての体験もきっかけの一つです。留学中にインターネットで商品を選んだり購入したりして、「こんなに便利なことができるんだ」と衝撃を受けました。商品を購入する時には、やっぱりいろいろな人の意見が聞きたいですよね。それに対しても、クチコミや価格の比較といった情報がネット上でたくさん手に入りました。インターネットの登場によって、居ながらにして様々な情報を手に入れられるようになる。この「比較」というテーマに着目し、価値を提供することで、ビジネスとして展開できるのではないかと考えたのです。

- 立ち上げ当初はご苦労もあったのでは?

起業して最初に立ち上げたのは「coneco.net(コネコネット)」という価格比較サイトでした。家電量販店に協力してもらえるようお願いをして回ったのですが、ある大手から「価格を比較するなんてとんでもない。情報をのせるのもやめてくれ」と、けんもほろろに断られたことがあります。しかし、それから1年半ほど経った時、同じ担当者から今度は「売上を伸ばすための手助けをしてほしい」という連絡が来ました。私が創業した2001年頃は、インターネットで商品を買ったり旅行を予約したりするのは本当にごく一部の人だけ。しかし、インターネットユーザーが増えるに従って状況が一変したわけです。立ち上げ当初はいろいろなことがありましたが、この出来事は特に印象に残っています。

- 「ベンチャーリパブリック」という社名に込めた思いをお聞かせください

たとえばヤフーや楽天のような巨大かつ総合的なサイトとは異なり、私たちは専門分野に特化することを目指しています。「旅行」という分野をとことん深堀りし、情報量をいかに充実させるか。そのためには、サービスを支える一人ひとりがプロフェッショナルである必要があります。そして専門性の高い人は常にベンチャー精神を持っているもの。そのような人材が集まりチームとなって機能する「リパブリック=共和国」でありたいと思っています。

- 現在は旅行分野に特化したサイトを運営していらっしゃるのですね

創業当初は、ショッピングや旅行などさまざまな分野にサービスを広げていこうと考えていましたが昨年、会社分割して今は「Travel.jp」「Hotel.jp」といった旅行に特化した情報サイトに集中しています。実は、インターネットと旅行の相性は非常に良いんですよ。そもそも旅行はモノではありませんから、実物を見ないで購入できます。さらに購入を検討する際には、いろいろな情報を処理しなければいけません。たとえば行き先、宿泊先、交通手段、経路、パッケージツアーにするか、どのフライトを選ぶか…等々。eコマースにおける旅行事業は市場規模も大きく、複雑な情報が必要であればあるほど私たちが価値を提供できる可能性も高いと感じています。

- やはり社内にもプロ意識が高い人が多いですか?

社員一人ひとりの専門性の高さは、当社の特徴の一つであると思います。エンジニアなどの職種を除けば、ほとんどのメンバーが旅行業界出身ですね。また最近では、ナビゲーターによる旅先ガイドメディア「たびねす by Travel.jp」をスタートさせました。旅行ジャーナリストや旅行ブロガーなど、国内外の様々な地域や文化、アクティビティに専門的な知識を持つ約300名のナビゲーターが、一般のガイドブックにはないユニークな視点から旅の提案を行っています。このような外部メンバーも、もちろん私たちの「共和国」の一員です。

- 今後の事業展開についてお聞かせください

積極的なグローバル展開を進めていきたいと考えています。これまでは日本から国内、または海外へ旅行する方へのサービスがメインでしたが、海外から日本を訪れる、いわゆるインバウンドに対する準備を現在進めているところです。今後は、日本のみならず世界中、つまり外国の方が日本以外の国を巡るような旅行にも、私たちのサービスを浸透させていきたいですね。

- 起業を志す方へのメッセージをお願いします

今の時代に起業を志すのであれば、グローバルな視点を持つということが一つの重要なポイントになるでしょう。英語を学び、資料や文献も英語で読む。チームを組む時にも多国籍を意識し、世界市場を視野に入れる。是非それくらいの意識を持って取り組んでもらいたいですね。ベンチャー精神とは、リスクを恐れないことと、常に新しいアイディアを考え続けること。「タイミングが来たらやればいい」と思っているようでは、ずっと起業なんてできないと思います。Quotes、日本語でいうところの“名言”という意味合いですが、その中に「There is an immeasurable distance between late and too late」という言葉があります。「遅いこと」と「遅すぎること」の間には計り知れない距離がある、という意味でつまり、裏をかえすといつでも遅すぎることはないのだと。これは私が創業以来身をもって感じてきたことでもあります。当社を設立したのはITバブルがはじける直前、上場したのはリーマンショックの1ヵ月前というタイミングでした。いずれも同業他社に比べれば遅かったかもしれませんが、遅すぎるということはなかった。起業を考える人の中には、「自分の年齢を考えると遅い」「やりたい分野にはすでに競合が多いので無理だ」などという人がいます。でも決して遅すぎるということはない。全て「Never too late」だと思うのです。

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