“ゲーミフィケーションで企業がユーザーの人生を応援!”

株式会社ゆめみ
代表取締役
深田浩嗣

インタビュー: 2014/03/05

1976年10月7日生まれ。京都府出身。京都大学工学部卒業。京都大学大学院情報工学科在学中の2000年、同じ研究室の同期だった現代表取締役の片岡俊行氏と技術担当取締役中田稔氏と共に株式会社ゆめみを設立。東京・京都の2拠点体制にて運営している。2005年4月、代表取締役就任。

生年月日:
1976年
出身:
京都府
出身校:
京都大学

- 幼少期はどんなお子さんでしたか?

好きな事にとことん没頭するタイプで、好奇心が強く、「どこで何をし始めるか分からない」と親にも言われるような子でしたね。興味対象に強く向かう気持ちや、周囲の声があまり気にならない部分は起業にも役に立っていると思います。

- 起業のきっかけはどんなことだったのでしょうか?

僕が大学院の情報学研究室に入った1999~2000年というのは、丁度インターネットも盛んになり始めて、「世の中を変えていくだろう」という予感めいたものはありました。そんな時、小学生でプログラミングをするような根っからのエンジニアである中田や、自分でサイトを立ち上げていた片岡に会って刺激を受け、聴覚障害者向けのコミュニティサイトを99年に自力でつくってみたんです。当時は珍しかったこともあり、それがきっかけで交流会が開かれたり、感謝の声や反響が大きくて「自分にも何かできる」と可能性を実感した出来事でした。また大学院1年生の時にシリコンバレーのNECの研究所にインターンシップで行かせてもらった時は、丁度前年にGoogleが設立されNetScapeも立ち上がり、自分と同じような年代の起業家が数々生まれていました。でも日本有数であるはずの自分の大学や日本では何も起こってない。これは焦りましたね。卒業して大手の研究室に入っても、自分たちが可能性を感じたような仕事をやらせてもらえないリスクが高いと、在学中に起業を決心。会社を立ち上げる前から、「夢中になれるものを仕事にしたい」「寝る間も惜しんで打ち込めるような環境に身を置きたい」と思っていたので、起業して以降「やらされている感」が全くない社長職は理想ともいえます。

- 御社の業務の中心であるゲーミフィケーションについて教えてください。

僕はこのゲーミフィケーションを「動機づけのためにゲーム要素をゲーム以外に活用すること」と定義づけているんですが、例えば弊社はスタッフ全員がデジタル万歩計をつけていますが、9935歩歩きましたという表示を見ると、人間寝る前でもあと65歩歩きに行って1万歩にしようと思う訳です。行動が数値やグラフになるとゲーム性が加わり、「もっと頑張ろう」とか「先週より頑張ったな」と感じるようになって結果としてパフォーマンスが上がります。モチベーションが上がるメカニズムは心理学的にも解明されていますが、「達成感が感じられる」「目標に近づいている実感がある」といったプロセス部分は、実際の仕事ではなかなか感じづらいものです。そこでゲーミフィケーションを上手に使って感じられるようにしましょうというのが基本的な考え方です。これもまた例え話ですが、「どうしてアマゾンで本を買うのか」と質問すると「便利」とか「安い」とかの答えの一段下に「本を読んでビジネマンとして成長したい」という理由が潜んでいたりする。だとしたら、自分のビジネスマンレベルあげていくゲームにしてしまえば、非常に可視化しやすくなります。各自のビジネスマンレベルを数値化して、「次に読むべき本はこれ」「ここまで来たから選択肢が出ました」「レベルがアップします」という仕掛けをつくる訳です。今ネットを通して消費者同士が情報を密に交換でき、企業側の嘘やごまかしがすぐに露呈する現状があって、消費者と企業が関係をどう築くかという部分に課題がたくさんあります。その課題解決にゲーミフィケーションが非常に効果的だと思うんです。「企業が何を提供したいのか」「ユーザーは何を求めてそのサービスを使っているのか」に立ち返ってゲームでデコレーションすると、ユーザーが方向を見つけて動きやすくなります。ゲーミフィケーションを使って、企業が各個人の人生実現を応援できような仕組みを作ったら面白いなぁと考えています。

- 会社のなかで大切にしている文化はありますか?

経営理念に「アイデアと技術で夢を実現する」とありますが、もともとエンジニア気質のではあるので、技術をどう生かして世の中に役立てられるか、人を喜ばせられるかという両輪のバランスは常に意識しています。

- 今後の事業の展開はどのように考えていらっしゃいますか?

創業当時からモバイルがこの業界の中心になるだろうという考えでやってきて、その通りになっているので、今後もモバイルに主軸を置いていきます。企業へのマーケティング技術の提供という領域が中心になると思いますね。

- 起業を目指す人へのメッセージをお願いします。

万人向けする職業ではないので、これまでは「起業なんてやめておけ」と言ってたこともあるんですが、「やめとけ」と言われてもやる奴っていうのは、やっぱり向いているんだと思います。自分に置き換えても、「やめろ」と言われたことはすっかり忘れてますし、大学の先生に「学生を自分の会社にリクルーティングするのはやめなさい」と叱られた時も「わかってないなぁ」と思ったくらいですからね。自分のなかに確信があって、突き詰める覚悟があるならば、起業すべきだと思いますよ。「やりたいこと」や「ビジョン」などは、意外と後づけじゃないかと思うことがあります。ここ5年位ならこの仕事が来そうだなといったビジョンは、自分の生き方ややり甲斐とは繋がるようで繋がっていないような気がする。自分探しをするなら、目の前のやるべきことを一生懸命やるうちに見えてくることがあるんだと思うんです。為末大さんの『諦める力~勝てないのは努力が足りないからじゃない~』という本があるんですが、彼は元々花形の100mの選手だったのをこの分野じゃ勝てないと400mハードルに変更しているんです。努力が苦にならない領域を見つけるとか、勝てるフィールドで勝負するとか、僕も勝ちにこだわる性格なので非常に頷くことが多かったですね。

- 失敗談があれば教えてください。

いくらでもありますけどね(笑)。2004年頃には大きな取り引きがダメになって社員半分の仕事がなくなってしまったり、まぁ色々ありました。

- 好きな言葉はありますか?

「為せば成る」。これは「為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」と続きますが、自分の行動哲学でもあります。私は非常にしつこい性格で、社員にも「なぜだ、なぜだ」「他に方法はないのか」とにかく諦めないで食らいつき、納得するまで行動を変えられない厄介な性格。でもこの粘り強さが会社を継続していく上では大事な要素だったと思います。

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