“世界のIT技術者と繋がる「セカイラボ」始動”

株式会社モンスター・ラボ
代表取締役社長
鮄川宏樹

インタビュー: 2014/03/06

1998年、神戸大学理学部数学科卒。2006年、豪ボンド大学/BBT-MBA取得。プライスウォーターハウスコンサルタント(現:IBM)ほか2社で活躍後、2006年2月、MBAプログラムで描いたビジネスプランを事業化して株式会社モンスター・ラボを創業。大学時代、アイスホッケー部で関西学生リーグ一部昇格を経験。現在も社会人チームでプレイを続けている。創業8年目の今年(2014年)、アジアをはじめとする世界各国のITエンジニアを結び、技術提供するプラットフォーム“セカイラボ”をオープンした。

生年月日:
1975年
出身:
島根県
出身校:
神戸大学

- 創業7周年、おめでとうございます。

2006年2月3日に創業して、今年で9年目に入りました。当初は音楽配信サービスを立ち上げ、今も音楽配信が収益の柱の一つになっていますが、核となっているのは「新サービスで世の中を変えていきたい」という思いです。

- 起業のきっかけとサービス内容を教えてください。

弟が音楽をやっていることから、ライブハウスに行く機会も多く、多種多様でいい音楽がたくさんあるのに、広める手段を持たず、埋もれてしまっていることを知っていました。インターネットの力を使えば、インディーズのアーティストとリスナーをマッチングすることができる、マスコミにはできない面白みが生み出せると感じて、ライブへの集客や音楽配信するWebサービスを立ち上げました。今の時代、アーティストの存在も多様です。メジャーデビューも、音楽で稼げることも必須条件ではなく、他の仕事をしながら音楽活動もしている人の中にも魅力的なアーティストが大勢います。現在では、約8,000組のアーティストが「monstar.fm」に登録して、曲を配信しています。

- 音楽配信サービスの利用状況は?

当時、音楽配信市場の8〜9割は着うた系で、ケイタイのキャリアに公式登録する必要がありました。ロングテール的な何十万曲という楽曲の配信は公式サイトには向かず、PCで始めたサービスは苦戦しました。そこで3年前から、店舗向けBGMの配信サービスをスタート。レストラン、美容室、病院、ショールーム、ホテルなど、あらゆる業種の空間演出にご活用いただいています。PC、スマホ、タブレットなどの端末があれば、初期費用もかからず、550のベースチャンネルから自由に選んで、業種や店の雰囲気、時間帯に合ったBGMを流すことができます。このサービスは順調に伸びていて、音楽配信では収益の柱になっています。

- 中国にも支社をお持ちですね。

もともとITエンジニアが集まってできた会社なので、Webサービス、アプリ開発などクライアント企業向けの開発も手掛けています。7年間でトータル500以上のサービスを開発してきたでしょうか。受注型のプロジェクトのほか、共同プロジェクトとして開発を進めてきたものもあります。こうした中で、2010年には中国の成都に支社を設立。現在、成都のスタッフは120人、東京は70人の体制で、自社およびクライアント向けのサービス開発を行っています。

- 新サービス“セカイラボ”とは?

アジアの新興国には、ITエンジニアが多数いて、廉価で高い技術力を提供しています。創立記念日となる今年(2014年2月3日)は、新サービス“セカイラボ”をシンガポールで立ち上げました。“セカイラボ”とは、こうした世界各国のITエンジニアをクライアントが自由に活用できるプラットフォーム事業です。まずは、中国、ベトナム、ミャンマーなどアジア各地のITエンジニア約200チームを繋ぎました。いずれのチームも日本語でのやりとりが可能です。2014年度内に、2,000チーム1万人のエンジニアの登録を目指しています。登録数が拡大すれば、翻訳・通訳サービスも導入していきます。“セカイラボ”では、各チームの開発実績を検索・閲覧することができるほか、企画書を投げると見積もりを取ることができます。当社はITエンジニアチームとクライアントのマッチングに加えて、プロジェクトを円滑に進めるためのサポートが可能です。中国支社を立ち上げてサービス開発してきた経験を活かして、ご要望があればサービス開発のディレクションも行います。

- 企業文化として大切にしていることは?

「多様性を活かす仕組みを創る」ことが企業理念です。また、モンスタースタイルとして、●創造的、革新的なことにチャレンジする。●国境を越える。●素人であり続ける。●決して満足しない。●チームとして最高のパフォーマンスを出す。以上5つを掲げています。モンスター・ラボ自体がこうした理念を体現したプラットフォームになっていますね。東京には日本、中国、韓国、米国、英国、モンゴルと多国籍の人材がいて、各国のカルチャーを持ち寄り、共通の目標に向かってまい進。一人ではできなかったことがチームとなることで、新しい価値を生み出しています。

- 今後の展開は?

“セカイラボ”によるアジア進出もまた、「多様性を活かす仕組みを創る」企業活動です。そこには2つの局面があると見ています。一つ目は、世界の中でも主としてアジア各国の人材を活用して、高い開発力を生み出す仕組みを創ること。少子化の進む日本はITエンジニアの人材不足が必至なので、需要は高いと実感しています。二つ目は、開発拠点からマーケットへ。人口成長率、スマホ所持台数など急成長を遂げている世界の巨大マーケット、アジアでの事業展開の拠点になると考えています。

- スタッフへの思いをお聞かせください。

モンスタースタイルは垣根なし。目的に向かってエンジニアもプランナーも互いを尊重し、意見はどんどん言い合う社風です。今のところ、東京の70人のスタッフとは全員と会話をし、先頭を走るのが自分の役割だと思っています。“セカイラボ”の代表には新卒3年目の社員を抜擢しました。事業の可能性を探り、僕と一緒にゼロから組み上げて、新事業をもっとも理解し、具体化してきた人材だからです。新卒・中途という垣根も、年齢、国籍という垣根もモンスター・ラボにはありません。

- アイスホッケーは今でも?

チームとして最高のパフォーマンスを出すことの面白さを、大学時代のアイスホッケーで知りました。経験者がほとんどいないチームで、全員、一応スケートは滑れるというレベルから大学リーグの一部昇格を目標に定めて活動し、達成。副将でした。一人ひとりのスキルを活かし、戦術を練り、チームのバランスをとり、勝つためのチームとなる醍醐味は、企業理念にも通じています。今も社会人アイスホッケーに所属し、週に2日のトレーニングと週末には氷上での練習、シーズンには大会に参加しています。

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