“BtoBtoC の新決済サービス「ZNAP」展開へ”

ビリングシステム株式会社
代表取締役
江田敏彦

インタビュー: 2014/03/03

1977年、早稲田大学理工学部を卒業し、三井銀行(現:三井住友銀行)に入行。1998年、コーポレートバンキング部先端金融商品開発部次長、企業間ECプロジェクトリーダーに就任し、2000年、さくら銀行(当時の太陽神戸三井銀行から改称)を退職。同年6月にビリングシステム株式会社設立。2013年4月、MPayMe社との戦略的業務提携を発表。今年(2014年)1月24日、六本木に新決済サービス「ZNAP」を体験できる「QR BAR」オープンをリリース。

生年月日:
1953年
出身:
埼玉県
出身校:
早稲田大学

- 起業のきっかけをお聞かせください。

早稲田大学を卒業後、三井銀行に入行して23年間、銀行員として働いてきました。支店勤務を4年半経験した後、日比谷にある本部に異動になり、主要各部門に在籍。起業のきっかけとなったのは、顧客向けサービスを扱う部門で決済サービスEDIの企画開発に携わったことでした。商社、メーカーなどの大企業を対象に、決済を一元化・効率化するサービスで、提案内容には各企業から「いいね!」と言っていただきましたが、顧客は取引銀行ごとではなく、銀行の共通機能としてすべての銀行の決済に適用することを求めます。しかし、当時はバブル崩壊後の波乱の中で銀行の合併によるメガバンク化が加速していた時期で、各銀行が顧客の囲い込みを進めていました。更に、銀行は経営状態が一段と悪化し、新たなサービスの開発には後ろ向きになっていました。

- 銀行員から転身、思い切った決断だったのでは?

各銀行の共通機能とするために他銀行にも声をかけ始めていたのですが、SMBCの合併対応もあり、起業前年の秋にはプロジェクトは中止を言い渡されてしまいました。しかし、決済を一元化・効率化する仕組みは、銀行、クレジットカード会社など多岐にわたる決済のハブとして世の中の役に立つと確信していたので、これをやり遂げたいとの思いがありました。その為には自分でサービスを立ち上げるしかないと思い、大手企業の社長室や企画室を訪ねて協力を依頼、翌年3月までには応援していただける目処が立ちました。2000年6月、退職金を元手にビリングシステム(株)を設立。最初の2年は仕組み作りに費やし、2年目の終わりにJAL様のサービスに採用され、その後、証券会社や商社、保険会社へとサービス提供を広げて、今に至っています。当社のサービスはインフラ機能であり、システムの構築と運用にお金がかかります。始めの6年間はずっと赤字でしたので、毎日が資金繰り、そして営業と開発の日々でした。当社の歴史は資金調達の歴史と言うこともできます。

- 決済を一元化・効率化するサービスとは?

決済とは、支払や請求、集金など、経済活動に不可欠な業務です。当社では、クレジットカード決済、インターネット決済、コンビニ決済等の主要決済手段を一括で導入いただける「収納代行サービス」、24時間リアルタイムで銀行からの資金振替を受けられる「クイック入金サービス」、ビルや多店舗チェーンの「公共料金等支払代行サービス」、「振込エージェントサービス」、「ファイナンス取次サービス」など、BtoBを中心に決済を代行、効率化するサービスを提供してきました。現在、これらのサービスは一定の収益を上げられるまでに育っています。

- 新サービス「ZNAP」をスタートされましたね。

決済を一元化・効率化する次なるサービスとして、今年(2014年)1月24日にスタートしたのがモバイル決済サービス「ZNAP」です。本サービスを開発/提供するMPayMe社と日本のサービス提供第1弾として、六本木にダイヤモンドダイニング社の運営による「QR BAR」を体験場としてリリースしました。

- 「ZNAP」はどのようなサービスですか?

「ZNAP」はQRコードをスマートフォンアプリでスキャンするだけで決済が簡単にできるサービスです。まずは自身のスマホにZNAPアプリ(無料)をダウンロード。六本木のコンセプトショップ「QR BAR」では、テーブルのQRコードをスマホにスキャンして、商品メニューを取込み、注文したい商品を選んで、テーブル番号を入力、決済方法(クレジットカードなど)を選んで、自身が登録した暗証番号を入力すると支払いまで終了。同時にキッチンにダイレクトにオーダーが届き、しばらくすると注文した商品がテーブルに届くという体験ができます。ブティック等で商品を購入してクレジットカードを使う場合もカードを渡して、サインをしたり、暗証番号を入力する必要がなく、商品を自宅に届けてもらう場合も、「ZNAP」に商品届け先を登録しておけば、一々届け先を記載する手間が省けます。

- 「ZNAP」の安全性は?

セキュリティはクレジットカード会社が採用している最高レベルの認証を取得。何より、クレジットカード情報を店舗に渡す必要がないので、偽造や盗難のリスクを回避できます。クレジットカードは紛失してから気づくまでに平均すると数時間かかっていますが、スマホは十数分です。スマホを落としたり、盗まれた場合には、PCから「ZNAP」の利用を止めることも可能です。

- 今後の展開は?

「ZNAP」は、小売・流通・公共料金・通販をはじめ、様々な業種業態で活用可能です。たとえば、病院の予約→診療→会計では、スマホで空き時間を検索して予約、来院時に「ZNAP」でチェックイン、診療が終わるとカルテと連動してチェックアウト=支払終了にするなど、病院にとっても患者にとっても便利なシステムを導入することが可能になります。「ZNAP」が受け入れられるためには、アプリのダウンロードが躍進することと、利用できる店舗が拡大することが同時並行で求められます。ある大学では学生が「ZNAP」を利用し教材を購入する等の準備をしています。そのほか、各種イベントでの物販や通販の決済、百貨店、コンビニなどとの検討を進め、今年一年で基盤を創り上げ、来年後半には利益を上げるべく、短期決戦の心構えです。決済には、経済活動の一番正しい情報が詰まっています。決済管理を一元化することで、顧客一人ひとりの好みを知って提案するOne to Oneマーケティングも可能になります。決済システムは処理の簡略化から始まって、やり方を変えることで新しい価値を生み出すソリューション作りにほかならないと思っています。

- 座右の銘は?

私が起業した時が45歳、次に入ったスタッフが43歳、55歳と“おじんベンチャー”でした(笑)。現在は社員数36人、平均年齢39歳です。今も私が平均年齢を引き上げていますね。社内にもエンジニアがいますが、開発や日常の管理は外注しています。社内のエンジニアの仕事は外注を管理すること。当社のスタッフは、個性やクセはあっても皆、真面目でコツコツやるのが好きですね。まだまだ少人数で頑張らないと……。座右の銘は特にありませんが、「しつこく思い続けること、あきらめないこと」を大切にしています。家族からは能天気だと言われます。

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