“おもしろコンテンツで世の中に波紋を作る”

株式会社バーグハンバーグバーグ
代表取締役社長
シモダ テツヤ

インタビュー: 2014/03/28

1981年生まれ、京都府出身。株式会社paperboy&co.に入社し「ロリポップ!レンタルサーバー」などのマーケティングやプランニングに携わる。同時にポータルサイト「オモコロ - あたまゆるゆるインターネット」の初代編集長として活動。2010年に株式会社バーグハンバーグバーグを設立。Webコンテンツの制作・運用などを得意とするおもしろコンテンツメーカーである。


取材協力:桜丘カフェ

生年月日:
1981年
出身:
京都府

- 社長の生い立ちをお聞かせください。

非常に大きな子どもでした。物理的に。小学生なのに172センチもあったんです。近所のおばちゃんに「あの子には同い年の友だちがいない」と思われていたんじゃないですかね。年齢不相応の偽物のべっ甲の眼鏡をかけていたので卒アルを見ると副担任にしか見えませんでした。中学時代は帰宅部だったのですが、常にサッカー部っぽい雰囲気だけは出してました。サッカーに興味は全然ないんですが、サッカー部はクラスのカーストが高めだったので。大学は、家から遠過ぎてあまり行ってなかったです。そのときにインターネットにハマって、気づいたら留年していて友達もいませんでした。作っていたお笑いサイトをきっかけに、チャット上だけで仲間とつながって、今の会社の基礎みたいなものができたのがその頃ですね。

- なぜお笑いサイトを立ち上げようと思ったのですか?

小さいころから4コマ漫画をずっと描いていて、それを人に見せて笑わせることが好きだったんです。お笑い芸人や作家になりたかった時期もあったんですが、「ああいう業界で売れるのは、かなり狭き門だ」と思って、まだ新しい市場だったネットでならお金もかけずに自己表現を始められるし、見る人も友達相手と違って反応がシビアで正直な世界だと思ったので、力試しをしたいなぁと。それで紫色の中学生と緑色の妖怪が掛け合いをする「ゴブリンと僕。」というサイトを作って日々ポチポチと更新していたんです。そのサイトをロリポップというレンタルサーバーを使って運用していたので、「ここに入れないかな」と思い、ロリポップを運営している会社に就活してみたら、当時社長だった家入さんが僕のサイトのファンだったらしく、直接お返事を頂きまして…。そんな縁でpaperboy&co.に入社しました。当時、留年して大学5年生だったのですが、「来月から来てくれ」と言われて「無理です、大学があるんで」と断ったら「そこを何とか」と、上京の資金や試験期間の休み、休んでる時の給料までを出してくれる条件を提示されたので拉致されることに決めました。こうして学生兼正社員となったんです。

- 会社を設立するきっかけをお聞かせください。

社会人になると、今まで面白いサイトを作っていた人も忙しくなってやめてしまうんですよね。もったいないなと思いつつ、これをなんとか残せないかなぁと思っていて…。「ちょっとでもお金が発生すれば、続けられる人もいるんじゃないか?」と考え、24歳の時に「オモコロ」というポータルサイトを立ち上げたんです。オモコロに初めて100万円以上の仕事の依頼が来た時、「仕事ってけっこうあるもんだな」と思うのと同時に「これでライターにお金が払える」なんてほっとした記憶があります。「こんなふざけことしかやってないオモコロを会社にしたら、結構すごいんじゃないか?」と思いだしたのもその頃ですね。企業のおもしろプロモーションは前職から担当していて、ネットでドーンと当るのを経験してましたし、当時おもしろ一筋の専門的な会社は世の中になかったので、「意外と需要があるかも?」とも考えたんです。「仕事内容をお笑いだけに絞る」というのは怖かったんですけど、「器用貧乏で何でもできる分、個性がないため数ある制作会社との価格競争に巻き込まれてしまう」という感じにはしたくなかった。あと営業も面倒なのでしたくなかったですね。「制作したものだけで噂が噂を呼んで仕事になるといいな」と思って、お笑い専門のワンコンセプトの方がわかりやすいとなったわけです。

- 会社の中で大切にしている文化はありますか?

うらやましいと思ってもらえる会社でありたいですね。他社より休みが多いとか、みんなが働いているときにサボれるとか。会社に行く時に「よっしゃ、これから遊びに行くんだ」と感じられる場所にしたいと思っています。弊社では業務時間中でも堂々と2時間までは寝ててもOK。業務中の銭湯もOKですが、合わせ技みたいな感じで2時間眠った後に風呂に行った強者もいるんです。その後に昼休み合わせたら、4時間ですからね。天国だな、終わってるなこの会社、と思いましたね(笑)。そういう「普通だったら終わってる」みたいな感じを弊社ではありにしたいんですよ。6月は祝日がないので、勝手にオリジナル祝日というものを作って休みにもしています。僕だけでなく社員にも「会社にはゆるくあってほしい」と思っていて、少々頭が固くなってきてるなと思った時期に、気分転換のために会社を休業してタイの山奥まで無理やり社員全員を連れて行きました。結果、タイという開放的な場所に行って帰ってきたら、本当にみんな友達だった頃みたいに仲良くなって頭もゆるゆるになっていたんです。そしていつも以上に業務時間中によく寝るようになりました。社会人として終わっている環境がどんどん整っていってます(笑)。他には、企画が当たったときでも今後のスキルアップのために反省会は必ずする。「こうすればもっと良くなった」とか、今後の企画案に使えそうなタネが延々出てくるんです。でもそればかりだと頭でっかちになるので、ドラクエの「パルプンテ」みたいな感じで、何がどうなるか想像がつかない、とんでもない案も話し合うようにしています。そういうめちゃくちゃな案を弊社では「威嚇案」と呼んでいて、こいつも一緒に提案としてぶち込む。クライアントの要望に対して明らかにダメで「これは無理だろう」ってやつを出すことで、形にならなくてもその場限りの笑いが生まれたり、「本当に自由にやらせてくれたら、僕たちはここまで案を出せるぞ」とクライアントをいい意味で威嚇できるわけですね。ですが、たまにその案が通ってしまうと、逆にこっちがビビりますね…。めちゃめちゃな企画を通してくれたクライアントが「よくこれを通したな」って、ネット上でその器の大きさ褒められていると、僕たちもうれしくなります。

- 今後の事業の展望をお聞かせください。

よく聞かれるんですが、答えられない質問なんですよね。会社設立の目的は、オモコロのコアメンバーを社員としてそろえること。今はその目的が達成できたので、後はいつ潰すかですかね。潰されたとき、最後に入った社員の表情がどのように絶望的に変化するかをいいカメラで撮影したい。あとは、バカなことばかりしてるけど、守るべきものを守れるような会社にはしないとですね。社員が結婚したり、子どもが生まれたりしても、キチンと面倒を見れないといけないなと思います。今後は技術者も入れていくので、クライアントワークだけでなく自社発信ネタをすばやく展開できるようにしていきます。好奇心にお金を投資していきたいですね。

- 起業を志す人へメッセージをお願いします。

経営者として、社員には独立して欲しくないですよね。僕の檻の中で一生奴隷として働いてもらいたいです(笑)。最悪、僕が奴隷でもいいです。一緒にいれるなら。僕は起業してまだ浅いから、偉そうなことは言えないんですけど…よく「起業なんて簡単だ」なんていう人がいますが、実際はほとんどの会社が潰れているわけです。それはノリで起業してるから。僕は24歳から29歳までの長い助走期間にオモコロを育て、ヒマな仲間と文化を作ってきたからそれを会社にできたんです。サラリーマンをしながらだったので資金的な体力がありましたが、オモコロだけだったらすぐに終わっていたと思います。起業資金を貯めた頃には、オモコロをどうビジネスにすればいいかがわかっていましたし、ライターにギャラを払うなどの経験で経営者の勉強も疑似的にできたから続いたのだと思います。会社の仕事をし、家に帰ってから8時間自分のために働けばいいと思うんですよ。起業するなら、それくらいしないと続けられないんじゃないですかね。続けなければ意味がないし、そのためには資金が必要。次にボケるためには、お金を稼ぎ続けないといけないんです。

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