“本が教えてくれた広い世界を多くの人々に伝えたい”

株式会社ブクペ
代表取締役
鳥羽悠史

インタビュー: 2014/03/28

愛知県出身。鹿児島大学理学部地球環境科学科卒業。大学卒業後の2008年4月に株式会社フードサービスネットワークを経て、2010年4月、Where2.0 Inc.に入社。ベンチャー企業の文化にふれ、本の要約を紹介するサービスをインターネットで始めることを提案し、親会社の株式会社サムライインキュベートからの出資を得て、2011年2月に株式会社ブクペ設立。

生年月日:
1984年
出身:
愛知県
出身校:
鹿児島大学

- 本離れが進むなか、現在の事業を思いついたキッカケは?

「ブクペ」とは簡単に言うと、本の内容を要約してインターネット上で紹介するというものです。確かに、本離れが進んでいる世の中ですが、私自身も本と出会うことで起業して、人生が大きく変わった人間のひとり。それだけ本が大きな存在であることは、今も昔も変わりません。だからこそ「ブクペ」でいろいろなジャンルの本のすばらしさを知って、どんどん本を読んでもらいたい、そう思って設立しました。起業前、多読術である“リバレッジリーディング”の本を読み、「これをサイトでやったらおもしろいんじゃないかな」と思ったのが起業のキッカケです。すぐに当時の勤務先の親会社である「サムライインキュベート」の榊原社長に相談して、その場で「やってみろ」という話になり、500万円出資をしていただき起業しました。

- もともと起業志向がありましたか?

いえいえ。私は公務員の家庭で育ったこともあり、とにかく安定志向なんです。そんな人間がなぜ、起業したのか? 皆さん不思議だと思うでしょうが、安定志向だからこその起業でした。九州の大学を卒業し、食品関連の会社に就職し、物流センターの配送管理やマネージメントを行っていました。まさに、私が思い描いていた安定した毎日を送っていたわけですが、ふと「この仕事、40歳になっても続けられるだろうか?」と思ったんです。正直、「これって自分じゃなくてもできる仕事なんじゃないか?」と。ここで長年働いて40歳になった時、自分にどれほどのビジネススキルが残るのか、考えれば考えるほど不安になってその勢いのまま、安定とは真逆のベンチャー企業へ転職しました。

- 転職当時、ベンチャー企業の文化をどう思いましたか?

それはもう、カルチャーショックの連続でした。一応、前職ではシステム管理などを行っていたので、それなりにパソコンは使える方だと思っていましたが、ベンチャー企業で要求されるのはそれよりはるかに上のスキルで、毎日仕事で追い込まれ、落ち込んでは本当に泣いていました。とにかくベンチャーはスピードが勝負。ひとつの作業でもコスト意識が非常に高く、この作業にどれぐらいの時間をかけるべきかがあって、それまでのゆったりとした働き方とは違い、猛烈に仕事に取り組んでいましたね。おかげで人が何年もかかって習得することを短期間で身につけられ、起業した今でもコスト意識をもって仕事を進めることができています。

- 起業後は、順調な毎日でしたか?

安定志向の人間にとって、起業することはとても勇気がいることでしたが、賛同して出資してくださる方もいて、恵まれたスタートを切ることができたと思っています。ただ、起業はそんなに甘くないですよ。思った以上に初動開発費がかかったり、思い通りのサービスを提供できなかったりと、試行錯誤の毎日でした。ただ、オープン後はかなりの反響があり、別のところからさらに2,000万円の出資を受けることができ、社員数も2名から4名まで増員することができました。「さぁこれから、ますます事業を拡大していくぞ!」という時に、社員全員が辞めてしまうという事態が起こりました。1人、2人ではなく、ある日突然、全員が辞めてしまったのです。それが意味しているものを考えると、1年ほど立ち直れませんでした。それでも、会社を継続していかなければいけないし、あの1年はとても苦しい日々でしたね。けれど、自分がとことん惚れ込んだ「ブクペ」というサービスをもっともっと世の中に広めたいという気持ちはすり減ることなく、前を向いてがんばることができました。やっと今、気持ち的にも落ち着いてきて、再び人を増やしていこうかなという思いがでてくるようになりましたね。

- ビジネスのおもしろさって何ですか?

起業すると本当にいろいろなことがあります。いいことも、悪いことも、雇われていると経験できないようなことも、たっぷりと味わえます。そんな時、自分1人で思い描いていたビジョンが現実のものとなり、人がついてきて、数字も上がりはじめて、そんなワクワクするような経験をさせてくれるのもまたビジネスです。正直、私の会社はまだまだこれから。5年後、10年後、ちゃんとした会社に育てるというのも大変だけれど、それが私の最大の楽しみでもあるんです。そしてなにより、そのビジネス「ブクペ」が何よりも好きで、そのサービスに自信をもっているので、大抵のことは乗り越えられる自信があります。その反面、安定志向であることは抜けないので毎月きちんと利益がでる仕組みをつくっていく、ということにもますます注力したいですね。

- 起業を志す人へのメッセージをお願いします。

自分自身も起業する未来なんてまったく描いていませんでしたが、本や「ブクペ」のサービスとの出会いで今があります。起業は気持ちだけでできるものではありませんが、それでも自分の「やってみよう」という気持ちが一番初めにあって、それに賛同してくれた方やユーザーの方々が力を貸してくれます。自分の気持ちに正直に、想いがあるならぜひ行動にでて、あとは行動しながら考えるぐらいでもいいと思います。

- ぜひ、おすすめの本を教えてください。

起業する方におすすめなのは、『渋谷ではたらく社長の告白』株式会社サイバーエージェント 代表取締役社長 藤田晋さん【著】です。私は、その人にしか書けない体験や内容にふれている本こそ読むべき価値があると思っているので、ぜひ一読を!特に起業を考えている人にとっては、教科書的な存在になってくれるはずです。皆さんもぜひ、ブクペを通して価値ある本に出会っていただければ幸いです。

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