“投資家が企業を応援できるマーケットを!”

株式会社マジカルポケット
代表取締役
平田茂邦

インタビュー: 2014/05/16

東京理科大学在学中に有限会社イーマーキュリー(現:株式会社ミクシィ)など数々の企業のインターンを経験。大学卒業後、カナダのバンクーバーに1年2ヶ月ほど留学し、帰国後の2003年4月1日にマジカルポケットを設立。株式上場企業へ革新的なIRサービスを生み出している。

生年月日:
1978年
出身:
東京都
出身校:
東京理科大学

- 小さい頃はどんなご家庭でしたか?

私が生まれた年に両親が商売を始めて2人で切り盛りしていたので、家の中でも仕事の話が中心という家庭で育ちました。母が経理担当だったので家には銀行の担当者の方が来たりと非常にビジネスと生活が密着している環境でした。実家は空調設備の会社でトラブルシューティングもありましたので「仕事は夜中でもあるものだ」と子ども心に思っていました。

- 起業のきっかけとなるような出来事は?

普通に大学時代を過ごして就職活動をしましたが、説明会へ行った企業にどうしても魅力を感じられず、2日で就職活動を辞めました。友人には「それは就職活動じゃない」って言われましたね(笑)そこで親に頼み、カナダへ留学させてもらうことにしたんです。卒業までは現在のミクシィの前身のイーマーキュリーでインターンとして働くことになりました。当時は笠原会長も学生で、会社に寝泊まりして昼夜なく働く毎日。僕が勉強したマーケティングの話をして新しいサービスを始めてみたり、給料を減らして会社の投資に回してみたり、色々やりました。会社を良くするために何ができるか、という発想もこの頃に養われました。大学卒業と共にイーマーキュリーも卒業してカナダへ渡り、語学学校へ通いながらインターンとして働きました。ボード・オブ・トレードという商工会議所のような機関で仕事をしていたのですが、若い女の子が彼氏を連れて会社の登記をしに来たり、中年の女性が「レストランをつくる」と言って訪ねてきたりするのを間近で見ていて、起業・開業の手続きに訪れる人の誰もが楽しそうで起業をする感覚が日本とは違っていて「いいなぁ」と思いました。これが自分の会社を興すきっかけになったと思います。また、世界各国から集まった人たちと話していると、皆「自分の国は世界一」みたいなお国自慢が始まるんですが、どうも自分は「日本が一番」と言い張る自信がない。なんだか皆がカッコよく見えましてね…。そこで自分が日本を一番と言えるように、日本の経済や国に役立つことをしようと起業しました。

- そして帰国後、半年で起業をされたんですね?

はい。人材ビジネスやIT、IRといくつもの事業計画を考え、最終的にIRを選択しました。IRはInvestor Relationsの略で、企業が株主や投資家に対して財務や経営の状況、業績動向に関する情報発信の全般を指しています。IRを選択した理由の一つは、「社会的意義が成り立っている」ということ。IRを通して成長企業のマーケットチャンスを作ることができると考え、IR分野のこれからの伸び代にも期待しました。もう一つは「参入のタイミング」で、この時期を外すとどんなに社会的意義があっても転ぶ可能性が高くなるだろうと思いました。2003年頃は日経平均株価が7,000円台で経済的には底値の時代、これから上がっていく可能性が高いと推測しました。

- 日本のIR業界が成熟していないという思いがあったとか?

アメリカでの個人金融資産額は6,400~500兆円、日本では1,600兆円。アメリカではそのうち約45%つまり約3,000兆円が投資信託や株式、出資金などの金融マーケットに流れているのに対し、日本では15%の200兆円とアメリカの10分の1しかない。時価総額からみると、Google Inc.は設立10年でトヨタ自動車株式会社よりも株式価値が高くなり、Facebook, Inc.もNTT(日本電信電話株式会社)と同じ程度までに成長した。なぜアメリカで新しい産業が伸びるのかというと、投資家がマーケットでチャレンジできる環境が整っているからです。マイクロソフト社でさえ配当をはじめたのは最近で、それまで20年間は利益を全て成長に充てています。アメリカの投資家たちは「リターンは企業成長で返してくれ」と企業を育てようという意識が高く、配当や優待が大好きな日本とは格段の差があります。弊社の仕事はそのギャップを埋めること。銀行に預けて小数点の利息を貯めていくのもいいですが、もっとチャレンジしている企業に預けてグローバルに活躍していただき、経済成長や新しい産業をつくりだすという道もある。そんな思いから会社を設立しました。

- 日本の株式市場が成長してこなかった理由はあるのでしょうか?

株式持ち合い(企業同士が株式を相互に安定保有する仕組み)でお互いの経営状態が悪くても文句を言わないとか、総会屋やシャンシャン総会など、株式自体に不透明なイメージが根強い。「お金を預けて企業を成長させる」という株式マーケットの本来の価値が定着しづらい土壌です。私たちがチャレンジできるのはその意識を変える部分だと思います。

- IR業界のなかで成長を続けてこられた秘密を教えてください

IR関連を取り扱っている競合他社との違いは、社内マネジメントを改善することで新しいサービスを生み出せている部分だと思います。「IRを通して顧客企業価値を向上し、社会貢献する」という理念のもと、「IRの品質を改善すること」と「IRの業務負担を軽減すること」を目標に、社員の研修やテストなどの勉強環境を整え、サービスの品質改善に徹底的に努める。このラインが一気通貫して無駄がないことが秘訣だと思っています。

- 会社のなかで大切にしている考え方などはありますか?

「社員は家族」だと思っているので、なるべく長く働いてもらえるような採用活動をしています。経営スタイルとしては古いかもしれませんが、長く在籍すればするほど待遇が上がるという仕組みで、なるべく終身雇用を目指します。これは会社側からしても非常に評価しやすく、説明もしやすい。中途採用で高い能力があっても、今の会社があるのはこれまでの社員が貢献したからに他ならない。だから長く働いている人の評価が高いのは当たり前という考え方です。海外で勝負するには、アメリカナイズされた経営では太刀打ちできません。日本人らしさが一番重要で、終身雇用は日本の武器だと思っています。またIR自体、短期的に結果を出すものではなく、一年の株価で見ても仕方がない分野。それは人でも同じで、長期的に見て良い結果を導き出せるようにしたいという思いもあります。今はこんな話をしていますが、設立当初は就職経験がないので制度も分からず、短期的な経営で失敗を数多く経験し、ここ5年くらいで今のような考え方に落ち着きました。

- 今後のビジネスの展開はどのようにお考えですか?

戦略的視点では、私たちは個人投資家向けにコミットしていますので、延べ4,000万人といわれる彼らの単価や人口を増やすことがミッションです。昨年、個人投資家向けイベント事業を買収しましたので、今後は全国で大小含めて月1回程度のイベント開催が目標。出展企業は成長企業であることはもちろん、「地域貢献をしている」「障害者や女性の雇用に積極的」などの弊社の考える“優良な会社”を集めています。加えて、現在300社くらいの上場企業と契約を結んでいるので、この10年でできなかった付加価値をつけたサービスに取り組みたいと思っています。これまでのようにシンプルなサービスを提供するのではなく、一社一社様にこだわりを持ち、IRの中身にまで加味したサービスにしたいと思っています。担当も一人50社受け持っていたところを20社まで減らして、1社あたりに考察する時間を増やし、サービスの中身をもっと充実させていきたいですね。

- 失敗談を教えてください

サラリーマン経験がないので自分の中では「ビジネス = 経営者」なんです。社員も経営者のロジックで動くべきという考え方を若い時はしていました。もっと寛容に優しくあるべきだったと反省しています。時を同じくして、弊社で一番の事件が起こりました。15時に情報開示するものを、間違って2時間も早く13時に情報を流してしまいました。15時発表であればマーケットは閉まっているので実質翌日発表になり、通常の情報開示はこの時間に行うもの。この時はクライアント企業が急遽14時に決算発表をしてくださり、助かりました。幸いポジティブな内容であったこともあり、株価は上がったのですが弊社としては大失敗です。その時、僕は「仰せの通りにいたします」という念書に社判を押して担当者様のところへ行き、「首を捧げよう」と覚悟しました。当時のIR担当者様がとても懐の深い方で事なきを得ましたが、そういうミスを出すマネジメントをしていたと猛省しました。

- 起業を志す人へのメッセージをお願いします

起業自体はさほど難しくはありませんが、うまくいくかどうかは「志」を持っているかどうかにかかっていると思います。粘り強く努力を持続できるタイプの人は起業家向き。人は自分だけのためだと長く頑張れない。だからこそ、社会貢献につながる「志」を持つと義務感や使命感で努力するのではないでしょうか。僕も一年に何度かは会社を立ち上げた日暮里のワンルームを見に行き、「自分は何をしたかったか?」と原点に立ち返るようにしています。

- 座右の銘を教えてください

スラムダンクに出てくる安西先生の「諦めたらそこで試合終了」という言葉ですね。大きいトラブルがあっても、諦めなければ続けられることを実感していますから。実は、社名の「マジカルポケット」はドラえもんのポケットからヒントを得たんです。ベンチャー企業の数ある定義のなかで、「社会的課題を解決する」のも大切な役割だと考えています。魔法のポケットで見たこともないような新しい手法で解決したいという思いからつけたものです。

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株式会社マジカルポケット

上場企業に使われるIRシステムと個人投資家向けWebサービスの開発責任者を募集します

募集職種
IR・個人投資家向け自社サービス(IRポケットとマジカルIR) のシステム開発(責任者)を募集
仕事内容
企業と株主や投資家をつなぐためのWebサービス開発・運用をお願いします。

マジカルポケットでは、独自サービスとなるIRサイト自動更新CMS「IRポケット」などを開発し、業界のオンライン化を牽引してき... 詳細を見る
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株式会社マジカルポケット

上場企業の戦略や財務情報を様々なIRツールに落としてこんでいく提案営業のお仕事です。

募集職種
上場企業IR(Investor Relations)部署への企画営業を募集します
仕事内容
今回、弊社が募集するのはIRサポートの企画営業になります。上場企業の戦略や財務情報を様々なIRツールに落としこんでいく企画、営業のお仕事です。

クライアントは上場企業のIR部署や経営陣、経営企画室に... 詳細を見る
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株式会社マジカルポケット

マジカルポケットが主催する個人投資家向けIRイベント(IRフォーラム)を上場企業向けに営業します

募集職種
個人投資家向けIRイベント(IRフォーラム)の営業を募集します
仕事内容
今回、弊社が募集するのはIRイベントの企画営業になります。弊社で東京・大阪で開催しているIRフォーラムの提案営業をお願いします。

クライアントは上場企業のIR部署や経営陣、経営企画室になります。

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株式会社マジカルポケット

上場企業のIR(Investor Relations)サイト構築のWebディレクターを募集します

募集職種
IRサイト構築のWebディレクター
仕事内容
・IRサイトの企画・提案
・IRサイト構築の業務管理

★IR業界未経験でも成長意欲の高い方歓迎!! 詳細を見る
IRサイト構築のWebディレクターの職場の風景写真

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