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株式会社 andu amet 鮫島弘子 エチオピアの人々とともに、ラグジュアリー×エシカルな モノづくり

JOBSHIL編集部
株式会社 andu ametの代表と企業ロゴ
株式会社 andu ametの代表のプロフィール写真

株式会社 andu amet
代表兼チーフデザイナー
鮫島弘子

国内メーカーのデザイナーを経て、青年海外協力隊のデザイン隊員としてエチオピア・ガーナで活躍。帰国後、外資系ラグジュアリーブランドのマーケティング部クリエイティブ担当として経験を積み、2012年に株式会社andu ametを設立。世界最高級の羊皮「エチオピアン・シープスキン」を使用したリュクスなレザー製品を製造・販売し、幅広い世代の女性から支持を得ている。

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※この記事は「2014/09/05」に「ビジョナリー」に掲載されたものを、JOBSHILに転載しております。

起業前はどんな毎日を過ごしていましたか?

学校卒業後は、デザイナーとしてひたすら化粧品のパッケージデザインなどを手掛けていました。しかしシーズンが変わる度に新しい製品が登場し、そのサイクルはとても早く、自分の生み出したデザインが一瞬にして価値がなくなる、このような状況にどこかで疑問を感じはじめていました。

「もしかして私はきれいなゴミをつくりだしているだけではないか」と。そこから、本当に価値があるものとは何だろう? みんなが幸せになるものづくりの仕組みとは何だろうか?と考えはじめていくうち、青年海外協力隊の存在を知りました。

青年海外協力隊ではどんな活動をしていたのですか?

青年海外協力隊の活動と言うと、例えば井戸を掘るといったイメージをもっていたのですが、実は多種多様な職種があるのです。

その中で私はデザイナーとして、エチオピアとガーナに派遣されました。

現地の行政機関や職業訓練校に配属され、そこで作られている製品のデザインを手がけたり、フェアトレードプロジェクトを立ち上げたりなど、デザインの仕事を任されていました。

当時、フェアトレードというものを知ったばかりだったのですが、貧しい国を支援するため、物やお金を途上国から先進国に回すだけでは現地の産業は育たず、発展に寄与しているとは言えないのではないか。知識や技術など、より付加価値あるものをこちらから提供し根付かせることで、初めてビジネスとして成立するのではないかと考えました。

そんな時エチオピアで出会ったのが、世界最高峰と言われる羊皮でした。この希少な素材を生かすことが出来ればビジネスとして人々を幸せにできると、事業モデルの構想が固まっていきました。

その後、日本に帰国されたのはなぜですか?

これまでの自分のキャリアを振り返ると、常にデザイナーという立場で、ひたすらものづくりに従事してきました。そのためブランドのコンセプトや資金調達、事業のマネジメントといったことには、まったく知識や経験がありませんでした。

それならばと、帰国後、外資系ラグジュアリーブランドのマーケティング部に転職し、将来起業した時に備えて、ビジネスについて徹底的に学びました。なかでも知りたかったのは、ブランドの魅力の高め方についてでした。どうして人は、ブランド物に高いお金を払うのか…。

実際に働きはじめると、製品ディスプレイひとつにしても、そこに込めるメッセージやイメージは、全てにおいて計算しつくされていることが分かり、たとえ高くても人々に愛され、魅了し続けるブランドが作られていく背景を肌身で実感することができました。

起業を果たされた後の活動について教えてください

外資系ブランドを入社5年で退社し、2012年に株式会社andu ametを設立しました。

起業については、始める前から大変であることは覚悟していましたが、実際に始めてみると、想像以上に大変でした。

しかし事業を続けていく中で、通常はなかなか会うことも難しいようなかたとお話する機会をいただけたり、そこから新たな発見を得たりなど、起業したからこその出会いや経験を得ることができて、とても幸せに感じています。

御社のビジネスモデル、ブランドコンセプトとは?

andu ametでは、世界最高品質と言われるエチオピア産の羊皮(エチオピア・シープスキン)を使ったバッグや小物などの企画・製造・販売を手がけています。エチオピアの羊皮は、ふんわり柔らかな極上の手触り。

これほどの素晴らしい素材がありながら、エチオピアでは付加価値の低い原皮の輸出にとどまっていました。この現状を知り、エチオピア内で最高級の革でラクジュアリーな価値ある商品を作りだそうと。そして発展途上国であるエチオピアに新たな仕事を創りだし、流行の渦にのみこまれないハイブランドに育てたいと思っています。

人気商品について教えてください

多くのお客様に支持されているのは、「Hugシリーズ」です。デザインコンセプトは「HAPPY」。ふんわりとしたレザーバッグをギュッと抱きしめると、ふわふわで幸せな気持ちを感じていただけると思います。

また、すべての製品にモザイクレザーを使い、デザインのアクセントに。実はこれ、商品の制作の過程で出たエチオピアンの羊革の端切れを一枚一枚積み重ねたもので、日本の寄木細工の技法を木ではなく、レザーで再現したものなのです。

そういった素材を最後まで使いきるエコな視点、日常を素敵に変えてくれるラグジュアリーな視点、どちらもうまく融合させたデザインをこれからもご提案していきたいと思っています。

これまでで一番のピンチとは?

設立して3年目なので、まだまだ大変な状況ですが、もしかすると今まさにピンチを迎えているといえるかもしれません。というのも、ありがたいことにご好評いただき、現在製品のご注文をいただいてからお客様のもとへのお届けまで約1年半待ちという状態です。

これを解決するために、生産のキャパシティを増やすのが現在の最優先課題と考えています。しかし、エチオピアに自社工房をもって生産を行っている当社では、職人さんのキャパシティビルディングも、一朝一夕でできることではありません。

しかもエチオピアの人々は、家族が病気になったり、自分の体調が優れなかったりすると、すぐに仕事を休んでしまうなど、ビジネスに対する価値観が日本とはだいぶ異なります。そうなると、途端に生産性が落ち、結果的に製品の納品が遅れてしまうことにも繫がりかねません。

このような状況から脱却するためにも、現地の生産能力の強化はとても重要だと考えています。ただ、私が事業を始めたのは、元々この事業に関わるすべての人を幸せにするためでした。

家族が病気で仕事をすぐに休むことは、日本では許されないかもしれませんが、私たちの常識にエチオピアの人々を当てはめて判断してしまっていいのか、一方でこのままの状況が続くと製品ができず、お客様にご迷惑をかけてしまう…そんなジレンマを抱えながら仕事にあたる日々です。

今すぐにでも現地に行きたいお気持ちなのでは?

もともと私は、年の半分をエチオピアで過ごす生活をしていました。しかし先日、日本で大きなケガをしてしまい、エチオピアへの渡航に対しドクターストップがかかっていました。先日やっと許可がおり、数日したらエチオピアに行くことができるので、ほっとしています。

今後の展開についてお聞かせください

私はandu ametを、日本とエチオピアの融合として、より高品質でラグジュアリーな製品を擁するブランドへ育てていきたいと思っています。

今も多くのお客様やバイヤーさんから品質を絶賛いただいたり、「本当にこんなに高品質なものが、エチオピアで作られているの?」と驚かれたりしています。

フェアトレードブランド、エシカルブランドとしてではなく、レザーブランド、ファッションブランドとしてさらに一流を目指していきたいと思います。

起業はどんな人に向いているでしょうか?

私もまだ起業3年目の若輩者なので大したことは言えませんが、続けるということが重要だと思います。始めからうまくいくわけではないので、ある程度、強い意志をもって、真剣に取り組むことが大切かと。すぐにやめてしまったら、きっと何をやっても同じですからね。

また、女性の起業家というのは、女性ならではの視点をもっていることが大きな強みだと思います。独自のマーケットを見つけて、強みを活かしながら、事業を大きくしていってほしいと思います。私もその一人として、チャレンジを続けていきたいです。

日々のリフレッシュ法はどうしていますか?

私はけっして切り替えが上手な方ではありません。特に、経営となるとこれまで自分が経験してきたデザインの分野だけでなく売上げのことも考えなくてはいけませんし、日本のお客様とエチオピアの職人の間の価値観の狭間に立ち、ストレスを感じることもたくさんあります。

そんな時には、ごく親しい仲間と、お気に入りのお店等で食事をしながら、気軽に素直な気持ちを話したり聞いたりしてもらうことが、なによりのリフレッシュですね。スタートアップしたばかりの経営者は、事業マネジメントが大変な時期ですから、みんな清貧な毎日を過ごし、ひたすら仕事に没頭していると思います。

しかし製品を通してラグジュアリーなものをご提案していくのであれば、たまにはそういうものにふれ、インスピレーションを得ることも大切です。その時間はなによりも幸せで、癒されます。そして当社のバッグも、多くの方々にそう思っていただけるような存在になれたらと思っています。

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