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株式会社ジェイアイエヌ 田中仁 世の中にない「新発明」で、メガネの歴史を変える!

JOBSHIL編集部
株式会社ジェイアイエヌの代表と企業ロゴ
株式会社ジェイアイエヌの代表のプロフィール写真

株式会社ジェイアイエヌ
代表取締役社長
田中仁

前橋信用金庫で融資業務などを経て、服飾雑貨メーカーに転職し、1年後に独立。1988年ジェイアイエヌを設立、2001年にメガネ業界へ進出する。全国に「JINS」ショップを展開し、2006年には大証ヘラクレス市場(現JASDAQ)に上場。2013年には東京証券取引所第一部に上場を果たす。機能性アイウエアなどを次々に大ヒットさせ、メガネ市場にイノベーションを起こし続けている。
生年月日: 1963年 出身: 群馬県 出身校: 慶応義塾大学大学院

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※この記事は「2014/08/08」に「ビジョナリー」に掲載されたものを、JOBSHILに転載しております。

起業についてはどんな風に捉えていましたか?

高校卒業の時、「自分には商売が向いているだろう」という考えをもち、信用金庫に就職しました。成績がよく性格も明るかったせいか、その後2つの会社から転職の話をいただくことに。ひとつは、パソコンのハードウエア関連会社、もうひとつは服飾雑貨メーカーでした。

結果、服飾雑貨の方へ転職しました。理由は、起業を視野に入れていて考えた時、服飾雑貨の方が企画から営業まで何でも経験させてもらえそうだったからです。入社後は企画する度にヒットを飛ばせたため、「自分は何でも出来る」と勘違いしてしまい、転職後1年後に独立。けれど、起業後すぐに自分の甘さを思い知らされました。

起業後に迎えたピンチとは?

あれほど簡単に飛ばしていたヒット作を出せなくなりました。すると、資金繰りもすぐに厳しくなって…。

私が起業した後の1990年代というのは、円高で海外の安いものがどんどん入ってきた時代。

そんな中で服飾雑貨をつくるのはとても大変で、尚且つお客様が喜ぶデザイン・質の良さだけ考えていれば良かったサラリーマン時代とは違い、起業すると経費や利益なども考えていかなくてはならない。

お客様視点を失ってしまっていたことが不調の原因だったのだと、時間が経ってからようやく気付くことができました。

メガネに着目されたのはいつ頃からですか?

友人と訪れた韓国で、偶然1本3,000円ほどの安いメガネが売られていて、それを友人がとても喜んで買っていたんです。帰国後いろいろリサーチしてみると、日本のメガネは高い、購入してから持ち帰るまでに何日もかかるなど、色々な穴があることに気づきました。当時のメガネの主流は3万円位。

日本のメガネはライセンス品が多く、フレームメーカー、レンズメーカー、それらを取り次ぐ業者や販売店のマージンやブランド料金が加味され、高額な価格帯となっていたのが、「あたりまえ」として業界が成り立っていたからです。これを自社で企画開発、製造、販売までを一貫すれば、価格を大幅に下げられるはずだと、動きだしました。

1号店オープンについて教えてください

メガネに出会った韓国旅行から1年も経たない2001年4月に、ジェイアイエヌ初のメガネ店「JIN’S天神店」をオープンしました。テレビにも取り上げられ、オープン当初は大盛況。

1日に100本以上売れていく状態で、開店3ヵ月位までは絶好調でした。それが、ふと気づくと、その翌月には似たような価格帯のメガネ店が同地区に20軒近くできていたのです。

当然、売上げはこれまでの半分になってしまいました。けれど競合店をリサーチしてみると、価格帯こそ同じだけれど、けっしてセンスがいいものではない。

メガネをファッションとして気軽に取り入れられるようにしたいと考えていた私は「これなら勝てる」と思い、メガネにより注力することに決めました。

大証ヘラクレス(現ジャスダック)に上場した理由とは?

当初は、東証マザーズに上場する予定でしたが、ライブドアショックの影響もあり、ベンチャー企業に対する門戸が急に狭くなってしまったという経緯があります。そこでスピードを重視し、大証ヘラクレス市場(現JASDAQ)で上場を決めました。

けれどその後、メガネとバッグを同店舗内で販売するという手法などが伸び悩んだ挙句、2008年のリーマンショックが追い打ちとなり、株価が50円を切ることに…。経営も赤字に転落し、これまでで最大のピンチを迎えました。

赤字からV字回復までの軌跡をお聞かせください

経営が回復するまでには、数々の出会いや挑戦がありました。最初は、ファーストリテイリングの柳井正会長との出会い。この先、どうしていいかわからない時、柳井さんとお会いする機会に恵まれ、自分たちの事業価値について聞かれたのですが、きちんと答えられませんでした。

「志のない会社は、継続的に成長できない」という言葉に揺さぶられ、その後すぐに自分たちのビジョンがどうあるべきか徹底的に話し合う場をもちました。そこで生まれたビジョンをもとに、業界常識では考えられなかった、どんな薄さのレンズを選んだとしても追加料金なしの料金体系「NEWオールインワンプライス」で勝負することを決意。

そして当時3000本売れればヒットと言われていた中で、新商品Air frameを一気に7万本作る、1ヵ月の広告費に5億円投入するなどの大勝負が当たり、起死回生。この時に生まれたAir frameは、今では累計1,000万本を超える大ヒットとなりました。

現在のメガネ市場について教えてください

以前は6000億円あったメガネ市場は、現在では4000億円に縮小しています。ですが、我々が提案したいのは、視力が低下して矯正を必要としている人だけじゃない、すべての人がかけたくなる、付加価値があるメガネ。

メガネというのは、誕生した約700年前からほとんど形状を変えていません。けれど、イノベーションによってかつての黒電話がスマホになったように、メガネにも進化、革新は必要なのです。

これまでも、花粉対策の「JINS 花粉Cut」やブルーライト対策用の「JINS PC」を生み出してきましたが、さらに「ジンズがなければこのメガネはなかった」と言ってもらえるようなイノベーションを起こしたいと考えています。

メガネによる新たなイノベーションとは?

先日発表した「JINS MEME(ジンズ・ミーム)」は、三点式眼電位センサーによって自分の疲れや眠気、動きの状態などを測ることができる、世界初の「自分を見るアイウエア」。スマホと連動することで、さまざまな自分の状態を知ることができるようになります。

このアイデアは、東北大学の川島隆太教授の協力を得て、生まれたもの。発売は2015年の春を予定していますが、すでに多くの特許を申請しており、自分たちしか生み出せない新しいメガネへと完成させていこうと思っています。

そして、すべての人がメガネをかけることで、その人生やライフスタイルに彩りを加えられるようなものを世の中に登場させたいと考えています。

御社ではどんな人材を求めていらっしゃいますか?

社内でも掲げているのですが、Honest(誠実な)、Inspiring(インスパイアする)、Progressive(先進的な)な素質をもった人と一緒に会社を盛り上げていけたらと思っています。そしてもし起業にも興味をもっているのなら、ハングリーさも必要かと。

私としては、あまり欲がないのはいいことだと感じていません。多くの人は欲を隠して生活しているのではないかと思っているくらいです。隠すのは失敗するのが嫌だったり、自分を良く見せたいといった、へんなプライド。

そんなものはさっさと捨ててしまって、本当に自分が欲するものなら、地べたを這いずり回ってでも追いかけられる人が起業に向いていると思います。私自身も起業してからは、もっとチャレンジしたい、もっと勉強したいという気持ちが膨らみ、企業経営の傍ら時間を捻出して大学に通い直しました。

大事にしている言葉はありますか?

「人間万事塞翁が馬」ですね。いいこともあれば、そうじゃないこともある。調子がいいからといって調子にのってはいけない。逆に、悪い時も落ち込む必要はない。自分を律する言葉としていつも心に留めて日々を過ごしています。

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