株式会社VOYAGE GROUP 宇佐美進典 チーム力こそがグループ組織を動かす原動力に!
株式会社VOYAGE GROUP
代表取締役
宇佐美進典
トーマツコンサルティングを経て、1999年に株式会社アクシブドットコム(現 株式会社VOYAGE GROUP)を設立。2002年、取締役COOから代表取締役CEOに就任。2005年にサイバーエージェントの取締役を兼務した後、2010年に日本インターネットポイント協議会会長としても広く活躍。2011年、社名を「株式会社VOYAGE GROUP」に変更。また、スタートアップの起業家の支援にも注力している。
生年月日: 1972年 出身: 愛知県 出身校: 早稲田大学
※この記事は「2014/04/11」に「ビジョナリー」に掲載されたものを、JOBSHILに転載しております。
起業したキッカケとは?
実は起業したのは、この株式会社VOYAGE GROUPの前身となるアクシブドットコムが1社目ではありません。その前にもう1つ、創立した会社がありました。
もともとインターネットで何かスゴイことをやりたいという思いがあり、ベンチャーを支援する助成金をとりつけ、いくつかの会社に外注をし、求人検索エンジンの開発を行っていました。
けれど、会社が集まるということは権利やコストの問題が出てきたりと、なかなかうまくいきませんでした。そこで、株式会社VOYAGE GROUPの創業メンバー3人でもっと一体感のあるチームとして同じ目標を追いかけたいと、株式会社アクシブドットコム(現 株式会社VOYAGE GROUP)を設立しました。
チームをつくることへのこだわりとは?
VOYAGE GROUPでは当初より、チームをつくることにこだわって採用にも力を入れています。そのキッカケとなったのは、最初に設立した会社での経験のほか、サイバーエージェントの役員を経験し、内側からその組織をみたことにあります。
2001年にサイバーエージェントグループに入り、2005年には役員に就任したことで、「VOYAGE GROUPよりわずか1年半ほど早く創業したサイバーエージェントと、これほどまでの差が生まれたのはどうしてだろう?」という疑問にぶつかりました。
サイバーエージェントに息づくDNAを学ぶうちに、インターネットサービスを支えるエンジニアの組織づくり、その活性化など、僕自身がまだ取り組んでいなかった課題に気づかされました。そこから、サイバーエージェントの良い面をVOYAGE GROUPでも共有していくという学びの多い日々となったのです。
VOYAGE GROUPへと社名を変えた理由とは?
VOYAGE GROUPの前身であるECナビという社名は、サービス名と社名とが一致しているわかりやすいものだったと思います。
けれど、それは同時に新規事業に挑戦するイメージが与えられにくいものでした。「1つの事業にこだわることなく、伸びやかに事業を開発させていく企業」として、VOYAGE GROUPと社名変更しました。
VOYAGE GROUPが変化を遂げる転機になったものとは?
2010年に、「VOYAGE(航海)」をコンセプトにオフィス全体をリニューアルしたことでしょうね。最初に、「社員が気軽に飲めるBarがあったらいいね」という声からBar「AJITO(アジト)」が完成しました。
出来たばかりの頃はAJITOだけが目立っていて、オフィス全体としてはここまで統一されていませんでした。しかし、AJITOが出来たことで部署や年次を超えた社内、そして社外のお客様とのコミュニケーションの場となり、活性化していくのを実感していました。
通常、お客様に対して自社のことを主語にして語る機会というのは少ないと思いますが、当社ではお客様がいらっしゃると社内を見て驚いていただき、自社についてお話させていただく機会が増えました。
しかも、誇らしい形で自社のことをお話させていただけるのは、社外の方からも何かおもしろいことをやってくれるんじゃないかと、期待をもっていただけるキッカケになっています。
また、オフィス空間が人に与える影響は大きく、いいものに囲まれていると自然にいい考えが生まれるもの。人は知らず知らず、オフィスという箱の中の常識でしか考えられなくなってしまいます。だからこそ、その箱を取っ払ってもいいんだと思えると、発想もどんどん柔軟になっていきます。
ただ、私自身はインテリアやセンスに自信がないので、オフィスの環境づくりについては得意な人に任せています!
社内の声を吸い上げるための制度があるそうですが
通称「エビ(ecnavi、Business、Innovation)」という事業に関する提案と、通称「カニ(Company、Advice、New、Innovation)」という事業以外の環境や制度などに関する提案の制度があります。
AJITOは、カニから生まれた提案の1つ。そこから、社内全体のコンセプトが構築され、経営理念も見直し、社員をクルーと位置づけています。
今後の展開について教えてください
現在、メディアとアドテクノロジーを2大事業として行っていますが、この分野はまだまだ伸びしろがあると考えています。そのため、VOYAGE GROUPとしてこれらの事業をさらに伸ばしていくことが目下の課題。
また、当社はインキュベーター的な役割も担っており、スタートアップ企業のサポートを行っています。私自身も、起業当初は間借りをして起業家の方々といろいろなことを語りあったあの頃は懐かしく、楽しい思い出です。
今後も、自分たちの事業だけでなく、スタートアップの人達をサポートしながら周りも一緒に成長し、最終的にはネット業界全体を発展させていきたいと考えています。
起業を目指す方へメッセージをお願いします
起業は、目的ではなく手段です。起業してチームをつくり、そしてユーザーの役に立つ、そのための手段に過ぎません。
「目的がないといけない」と思っていたら、なかなか一歩を踏み出せません。起業に限らず、何かにチャレンジしたり新しい経験をすることは、多くの学びを与えてくれます。
私は大学の時に学生結婚し、すでに子どもがいた時に起業しましたが、どんな状況でもやってみたらなんとかなるもの。一歩を踏み出してみてはどうでしょうか。
おすすめの本はありますか?
おすすめは、「ローマ人の物語」です。千年続いた国は世界史上2つしかないのですが、その1つはローマ。その国がどのように発展していくかという内容は全20冊にものぼり、何度となく読み返したくなる本です。
国を統一するいろいろなリーダーシップの形は、まさに歴史の中の生きた教科書として現代でも大いに役立つ内容だと思います。

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