ティール組織(てぃーるそしき)|採用担当の用語集002
ティール組織(てぃーるそしき)とは?
「ティール組織(てぃーるそしき)」とは、フレデリック・ラルー氏が2014年に提唱した組織理論であり、メンバー全員がそれぞれの自己決定によって、自律的に行動し目的に向かうことができる組織を指します。
上司が部下を細かく管理ような方法は一見合理的に思えますが、実は組織に悪影響を与える可能性があるとラルー氏は指摘しました。
彼はそれを説明するために組織フェーズを5段階に分類し、最新型の組織を「ティール色」で表現したことから、この名前がつけられたのです。
ティール組織に至るまでの5つのフェーズ
ティール組織は最新の組織として注目が集まっていますが、ここに至るまでにはレッドから始まる5つのフェーズがあります。
最も古い組織はRed組織と呼ばれ、個人による支配の上で成り立っているので、再現性はなく短絡的な行動に陥りやすいのが特徴です。
Amber組織は明確なヒエラルキーの元、指示によって動くため、変化に対応しにくいといった問題点が考えられます。
そして現在の多くの企業が当てはまるOrange組織は、社長を頂点としたヒエラルキーはあるものの、成果を上げればそこに変化が生じます。
しかし、機械と比喩されるように、段々と人間らしさを失い、過重労働となる傾向があります。
Green組織では、主体性と多様性を尊重しますが、多様なメンバーの合意を重視するあまり意思決定が遅くなりがちという欠点が見られます。
そして、ここまでのデメリットや問題を解消できるのが、ティール組織です。
体の中の細胞や臓器のように、自律的でありながら調和を大切にして働くことから「生命体」と比喩され、Green組織と違い現場の人間が多くのことを決定します。
ティール組織に見られる共通点
ティール組織にはいくつかの共通点が見られますが、ラル―氏はその中でも「存在目的」「自主経営」「全体性」の3つを重視しました。
エボリューショナリーパーパス(存在目的)
組織がなんのために存在しているのかをティール組織では重視しており、その存在意義にどう貢献するかをメンバーにも常に問いかけます。
その姿勢を持つことで、現状の変化を認識し、新たな目標に向けて進化し続けることができるのです。
セルフマネジメント(自主経営)
ティール組織では、誰もが等しく意思決定に対する権利と責任を持っていて、自分で決めた目標などによって生まれた力を組織を運営する際に活かすことが求められます。
それゆえ、企業は従業員を信頼することが必要です。
ホールネス(全体性)
それぞれに裁量が委ねられているがゆえ、メンバーには最大限の力を発揮してもらう必要があります。
多様性を受け入れ、ありのままの自分を見せられるような心理的安全性を確保することが、十二分に能力を発揮できる環境に繋がります。
さいごに
ティール組織は、これまでの組織のデメリットを解消できる新たな組織理論として注目されています。
ただし、ティール組織の仕組みを採用することが、すべての企業にとっての正解とは限りませんし、いざ「ティール組織を目指そう」と思っても、今日明日で実行できることではないかもしれません。
そこでまずは、理想的な組織の仕組みと、自社の実態を理解することが、より良い組織への第一歩となるはずです。

