“世の中から「さみしい」をなくす、心が満たされるサービスを提案 ”

株式会社ホットココア
代表取締役
永上裕之

インタビュー: 2014/06/06

中学時代より大小合わせて150以上のWEBサービスを立ち上げる。東放学園専門学校卒業後、WEB制作会社へ入社。その後、株式会社リクルート、クラウドコンピューティングによるソリューション会社を経て、2010年4月に株式会社ホットココアを設立し、独立。サラリーマン時代には、モテない人向けSNSの『非モテSNS』を立ち上げ、月間1000万PVを誇る巨大SNSに成長させた経歴をもつ。現在は累計売上1,500万円、累計購入者数1,300人を突破した脱オタファッション専門通販サイト、メンズファッション+ を展開している。

生年月日:
1986年
出身:
福井県敦賀市
出身校:
東放学園専門学校

- 生い立ちをお聞かせください

父は警察官、祖父は校長先生という公務員家庭で育ちました。育った場所は福井県の敦賀市。周りには田んぼが広がるばかりで、友達との遊び場所も近所の本屋しかない田舎でした(笑)パソコンを初めて触ったのは小学校の頃。中学に入ってインターネットを覚え、オンライン上で学校の掲示板を作ったりして遊んでいました。

- 福井から上京した経緯を教えてください

中学時代からWEBサイトを作り始め、高校時代には深夜ラジオが好きだったので、本格的なインターネットラジオの配信サイトを作ったのです。そのサイトがきっかけで、東京に住むたくさんのネット友達ができ、「早く東京に出ていきたい!」という気持ちが高まっていました。そこで進学先には東放学園を選び、チームマネジメントなどを学びました。

- 起業を目指したきっかけはなんですか?

正直に申し上げると「食べていくため」でしょうか(笑)中学生時代から色んなサイトを立ち上げていたこともあり、19歳の頃にはフリーデザイナーとしてSNSなどを駆使して仕事を受注していました。雑草的なハングリー精神とでも言いますか、自分の技術で食べていくのだという自負があったのだと思います。フリーの仕事を続けながらサラリーマンとして3社経験した後、2010年4月、ホットココア設立に至りました。

- ホットココア設立時の思いとは?

サラリーマン時代に立ち上げた「非モテSNS」というサービスをもっと面白い事業へと育てるため、法人化しました。会員も順調に増え、月1回のイベントでも150人くらい集まるほどのサービスに成長していたのですが、副業でやれる範囲の限界を感じていたのです。そこで、法人として活動すれば更に多くの人に影響力のあるサービスを創れるのではないか、と思って起業という結論に至りました。

- 起業してから事業の方向転換をされたのはなぜでしょう?

起業2年目の時、「イマドキの起業」という私の理想と、目の前の現実の間で壁にぶち当たりました。FacebookやLINEのように1つのWEBサービスを作り、1プロダクトの運営のみで、世界中のユーザーを獲得し、ビジネスになっていく。これを私は「イマドキの起業」と呼んでいます。私が中学時代から生み出してきた数々のWEBサービスや、非モテSNSはまさにこの「イマドキの起業」で、ずっと続けたいとは思っていたのですが「私なりの起業」を考えた末に、今のアパレルの小売店へと方向転換しました。自分にとっても会社にとっても、大きなターニングポイントだったと思います。

- メンズファッション+(プラス)について教えてください。

『無難・外さない・失敗しない』がテーマのアパレル通販サイトです。いわゆる、オシャレさんが着るようなコワザの効いたアイテムは基本取り扱っていません。オシャレというわけではないけれど“いい感じ”に見える。そんな洋服を厳選しています。このコーディネイトを選んでいるのは現役の女子大生などで、プロのコーディネイターの手は一切入っていません。普通の女性が選んだコーディネイトを上下セットで、しかもワンクリックで買える。そんな手軽さがウリの一つです。また、「購入後1か月間は洗濯後であっても返品可」という点も大きな特徴です。サイズ感など、実際手に取ってみないと分からない部分に対してもきちんとケアをしていこうと覚悟を持ってこのサイトを運営しています。現在会員は1万人程度。しかし、この外さないファッションを求めている潜在ユーザーはまだまだ沢山いると確信しております。

- 社内での文化はございますか?

現在は少人数の会社ですが、各自の得意な分野に専念できるよう分業化を進めております。また私自身、SNS運営を行っている経験上「社内コミュニケーション」を非常に大切にしており、そのための手法開発にはかなり力を入れております。特に、現在チャレンジをしているのは「上司とビールで乾杯して、仕事の相談もグチも腹を割って話し合う。」そんな飲みニケーションに代わる手法の模索です。そのための手法として弊社が導入したものの1つが社内SNSです。コミュニケーションの潤滑油となる仕掛けを施して、お酒が入っていなくても腹を割って 話せる、そんな場所の構築を目指しております。実際、社員の投稿に対するコメント率は100%と、利用度が非常に高いツールとなっております。

- 今後のサービス展開について教えてください

恋人がいなくても、リアルでは誰とも会わなくても、家に引きこもっていても寂しくない。そんなサービスを世の中に出したいと思っております。私の尊敬している友達に21歳のエンジニアがいるのですが、自らのWEBサイトを通じてしっかり収益を得ていて仕事は順風満帆。でも、以前「なんだか心が埋まらない。」とチャットで相談されたことがあります。一方で別の友達は、友人関係も恋愛面も絶好調。でも仕事がイマイチうまくいかず、「常に心のなかに不安がある。」と相談されたこともあります。両極端な二人ですが、共通して「何か足りない」と感じているわけなのです。この恋愛や仕事やプライベートなどのライフスタイルと、幸福度の相関関係やベストミックスはライフワークとして、「非モテSNS」設立当初から常に模索を続けております。今後も色々な「さみしい」の形に対して、様々な角度からフォローができるよう、発明を頑張っていきたいと思っております。

- 会社経営で尽力されていることはありますか?

今は労務や人事、採用といったいわゆる管理部門に特に力を入れ、改善を続けております。特に私が注力しているのは、社内コミュニケーション手段の部分です。「さみしい」をテーマとしたサービス開発と同時進行で、社内のコミュニケーションについても今、世の中にある形の社内コミュニケーションを疑ってかかり、本当にスタッフ同士が働きやすいコミュニケーション手段の改善に日々努めています。今の若い世代はデジタルネイティブと呼ばれますが、この層にも受け入れられるコミュニケーションの基礎を確立し、よりいいサービスを、より多くの人々に提供できればと思っております。

- 起業を志している人にメッセージをお願いします

先輩や大人たちが言っていることを100%真に受けないことだと思います。例えば、3年前に私がとある学生さんに起業に関して相談を受け、お答えしたことについて。申し訳ないのですが、今振り返れば間違って回答したなと思うことが多々あります。当時は正しいと思って魂を込めてアツく回答していたことでも、経験値を積むと間違っていたと考え直しました。これは私が未熟だからかもしれないのですが、 実はこういうケースって多いのかなと思っておりまして、仮に世の中の定説になっていることも疑ってかかるくらいの方がいいと私は思います。私は中学時代から約14年近く、WEBサービスを作ってきました。未だに、胸を張って企業理念に合致する世界観のヒットサービスを作れていないのは、忸怩たる思いであります。ただ、その目標達成までの道のりは日々の改善の延長線上にあり、理屈との戦いの末にあるもので、トリッキーな作戦で一気に問題が解決するような「魔法の杖」はないと、私は常に思っております。そのため、起業においても、どんな課題にぶち当たっても、愚直に目の前の課題の1つ1つと向き合っていくのが重要ではないかと思っております。

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