“モバイルアドネットワークのパイオニアとして業界を牽引”

株式会社アイモバイル
代表取締役
田中俊彦

インタビュー: 2014/06/20

情報通信系企業、広告代理店での勤務を経て、2007年に株式会社アイモバイルを設立し代表取締役に就任。モバイルに特化したインターネット広告事業を展開し、独自の広告配信システム「i-mobile」を開発。国内最大級のアドネットワーク規模へと成長させている。

生年月日:
1979年
出身:
京都府
出身校:
国立舞鶴工業高等専門学校

- 幼少期のエピソードをお聞かせください

今思えば、子どもの頃から常に「商い」ということを考えていたような気がします。家の手伝いをしては100円、200円と小遣いをもらい、それを貯めて自分の好きなものを買っていました。金額にすれば僅かなものですが、当時から仕事の対価としてお金をもらうという感覚がありましたね。小学2年生くらいの時、父に大卒で就職したら初任給はいくらぐらいなのかを聞いたことがあります。大体20万円くらいという答えだったと思うのですが、その時に車の広告を見て「じゃあ5ヶ月くらい給料を貯めれば車が買えるのに、なんでみんなローンを組むんだろう?」などと考えていました。

- 起業のきっかけはどんなことだったのでしょう?

21歳で上京し、情報通信系の企業でバリバリの営業として働いていました。初めて東京に来た時、立ち並ぶたくさんのオフィスビルを見て、「こんなに多くの会社があるのに自分の会社がないのは不思議だな」と思ったことを覚えています。その頃から、いつか起業したいと考えるようになりました。転機が訪れたのは26歳の時です。インターネット市場が爆発的に広がり、ブロードバンド化によって、まるで蛇口をひねれば水が出るように誰もが自由に情報網を使える時代になっていました。インターネット業界に身を置き、その大きな波を肌で感じていた私は「これからはモバイルが来る!」と直感したんです。今後必ずモバイルにも高速通信の時代が来る。このチャンスを逃してはいけない、来るべき時代に備えて準備をしておかなければと思いました。ちょうど別の理由で退職を考えていたことや、一緒にやろうと言ってくれる仲間の存在もあり、アイモバイル設立を決めたんです。

- 事業内容を教えてください

メイン事業となるアドネットワークでは現在、約1,000社のクライアントと累計13万のメディアに利用していただいています。また、そのほかにもアフィリエイトサービスやキャラクターなどのコンテンツ事業も展開しています。広告だけにとらわれるつもりはなく、自社の技術を多くの人に使っていただきたい、という思いで今後もさまざまな事業に取り組んでいきたいと考えています。

- 今後の展望についてお聞かせください

当社が持つ日本最大規模のアドネットワークをさらに強化していきたいと思っています。私たちが提供するのはあくまでもプラットフォーム。フィーチャーフォンの時代から事業をスタートさせ、現在に至るわけですが、今後もデバイスがどう変化しようと、インターネット広告ビジネスというものが存在する限りは対応していけると考えています。今年5月に大阪に支社を構えましたが、地方拠点の拡大というのも目標達成のための一つの手段ですね。私は「一石二鳥」という言葉が好きなんです。ビジネスでも、1つ事業を立ち上げたらそれに付随するような事業を考えていくようにしています。全く新しい事業をゼロから作り上げるのは大変なことですが、一石二鳥を考えれば相乗効果で両方を成長させることができますから。

- 起業後にご苦労されたご経験はありますか?

設立当初はサーバトラブルなど、大変なことも多かったですね。正月早々に不具合が発生した時は、私は何もできなくて祈るしかなかったのですが、技術責任者の野口は本当に大変だったと思います。当時はまだ規模も小さかったので、「今の規模でこんなにトラブルがあるということは、規模が大きくなったらどうなってしまうんだろう」という不安もありました。でもいろいろな壁を一つ一つ乗り越えたからこそ、現在の1ヶ月の広告表示数が約660億インプレッションという大きなアドネットワークを作り上げることができたのだと思っています。

- 社内にはユニークな制度が多いとか

現場の声から生まれる文化は多いですね。その中の一つが、お客様や取引先様に対して丁寧な対応をしていく、ということ。相手に喜んでいただけるように、一つ一つの仕事に対して誠実に取り組むという文化が根付いていると思います。社内のコミュニケーションを円滑にするために、定期的にくじ引きをして席替えをしたりしていました。今は、ランダムに選ばれた社員たちが集まって一緒にランチを食べる、ランチ会というのを実施しています。普段の仕事上で関わりがない人同士でも新しいコミュニケーションが生まれると、社内でも好評です。また「0駅ルール」「2駅ルール」というものがあり、当社の最寄駅である渋谷を起点として徒歩圏内と2駅以内に住んでいる社員に対して、一定額の助成金を支払っています。やっぱり社員にとって働きやすい会社でありたいと思いますし、要望をどんどん言える環境を作っていきたいですね。

- オフィスもとてもおしゃれですね

これは建築デザインの経験を持つスタッフが内装を手がけたんですよ。私は予算だけ聞いて、細かいところはすべて任せました。自由にやってもらえばいいものができるだろうと信じていたし、職場環境がいいとスタッフのモチベーションも上がりますからね。普段の業務においても、スタッフを信頼して任せる部分は大きいかもしれません。一人ひとりがしっかり考えてやってくれれば細かいところは事後報告でいい。事後報告すらいらないと言うこともありますよ。

- 起業を志す人へのメッセージをお願いします

起業すると、当然大変なことがたくさんあります。サラリーマンと違って、一生懸命働いているのにお金が減っていく、という辛さは経営者にしかない感覚です。でも、うまくいったときの喜びも、経営者にしか味わえないものです。起業しようかどうか悩み続けるくらいだったら、早いうちにチャレンジした方がいいと思いますね。私もリスクを考えて不安になることもありました。一緒にやろうと言ってくれる仲間はいたものの、正直怖かった。でもそれに打ち勝つことができたのは、チャンスをつかみたい!という強い思いがあったからです。モバイルのインターネットというビックチャンスがもうすぐ来る、こんなに大きな波は私の生涯に二度とないかもしれない。ここに勝負をかけたいと思ったからこそ、起業を決意することができたんです。

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