“IT×人の可能性を追求して、新たな働き方を創造する”

株式会社パソナテック
代表取締役社長
吉永隆一

インタビュー: 2014/07/04

大学卒業後、現パソナグループ南部代表の人柄や情熱に惹かれ、株式会社テンポラリーセンター(現・株式会社パソナグループ)に入社。1996年パソナテックの前身であるWindowsレスキュー事業部に参画、1998年に株式会社パソナテックとして分社化。2012年代表取締役社長に就任。

生年月日:
1969年
出身:
高知県
出身校:
日本大学

- どのような学生時代を過ごされたのでしょうか?

ずっと陸上をやっていたため、スポーツを通じて先輩や仲間から影響を受けることが多く、人と人とのつながりを活かすことができる職業として教職を志望していました。でも、教育実習に行って「このまま社会を知らずに『先生』と呼ばれるようになっていいのか」という疑問が湧き、まず1度社会に出ようと遅ればせながら就職活動を開始。「魅力的な経営者のもとで働きたい」と考えていた時、現パソナグループ代表である南部と出会いました。彼が語る夢や志、そのベンチャースピリットに大きな感銘を受け、株式会社パソナグループ(当時は株式会社テンポラリーセンター)への入社を決めました。

- パソナテック設立の経緯をお聞かせください

パソナテックは1994年、パソナグループ内の一事業部としてスタートしました。パソナグループでは「社会の問題点を解決する」という理念のもと、人材ビジネスに限らず、流通や教育など当時からさまざまな事業を展開し、新規事業の提案も活発に行われていました。そんな中、私が入社して5年ほど経った頃に、次のパソナグループを牽引する新たな事業を作ろうという動きが生まれたんです。インターネットが浸透しつつあり、一気に社会のインフラとなっていくであろうと考えていた時期でもありました。そんな時、当社の創業者であり現パソナテック会長の森本がITに特化した新規事業を立ち上げ、それに共感した私はすぐに手を挙げました。当時は私も人材派遣部門でエリア責任者を務めていたため、なかなかすんなりとは進みませんでしたが、粘り強く志願し続けて1996年に参画。その後1998年に株式会社パソナテックとして分社化しました。

- その後社長就任にあたり、どのような思いがありましたか?

日本の働き方、ワークスタイルというものを変えていきたいという思いを改めて強く持ちました。今やITは広く一般にも浸透し、スマートフォンなどのコミュニケーションツールも生活に欠かせないものとなっています。そういった身近なツールを活用しながら働き方を多様化し、日本の社会を変えていきたいと思っています。

- 「働き方の多様化」とは?

特に東日本大震災以降、在宅勤務などを取り入れるようになった企業が増えています。ITの進化によって、「どこにいても仕事ができる」という環境を実現できるようになり、企業も徐々に新しい働き方に目を向け始めているのではないでしょうか。当社でも、クラウドソーシングサービス「Job-Hub」を展開し、時間や場所の枠に縛られない働き方を可能とするべく、仕組み作りを進めています。地方に在住している人、育児や介護でまとまった時間がとれない人、趣味を大切にしたい人。そのような人たちにも会社に出勤するのと変わらない仕事ができる環境を提供できれば、日本の労働力も大きくアップするはずです。エンジニアなどでは「フリーでやっていきたい」と考える人も増えていますよね。ワークスタイルのプロデュースを行いながら、社会に必要とされる仕組み作りを後押ししていければと思っています。また最近では、日本の優れた文化やコンテンツ、製品などをECやOtoO(Online to Offline)で世界に広めるための支援にも取り組んでいます。国を越えた人や事業のつながりに今後も力を入れていきたいですね。

- ご自身のワークライフバランスについてはいかがですか?

私には4人の子どもがいますが、実は結構イクメンパパなんですよ(笑)。毎日子ども達に朝食と弁当を作り、キャンプや旅行など家族で出かけることも多いです。父親として子ども達に何をしてあげられるかを考えると、やっぱり一緒にいる時間を大切にしたいと思いますね。また社員にも同様に、ワークライフバランスを実現してもらいたいと考えています。当社のようなIT系、人材系の事業は特に、仕事をとことんやろうとするとキリがない。どこかで区切りをつけるには、やはり社内外の円滑なコミュニケーションの中でのインプット、アウトプットが重要になってきます。そのためにも積極的にコミュニティ作りに取り組み、たとえばIT業界を巻き込んで野球リーグやゴルフコンペをやったり、ママチャリレースをしたり(笑)。人のつながりを深めていけるような機会をどんどん作っていきたいと思っていますし、もちろん私も参加しています。

- 社内で大切にしている価値観とは?

一言で言うとチャレンジマインド。「自分のためだけではなく、社会のために新しい価値を作っていく」ということですね。この目指すべきビジョンを道しるべとして定め、それを共有するようにしています。その上で成長の基盤となるのは人材力。幅広い事業に対応できるように定期的なジョブローテーションを行い、また社員自らが積極的に勉強会などを開催しています。主体性のある取り組みが個人の成長につながりますし、個人の付加価値を上げることは、会社の付加価値を上げることに直結すると思っています。

- 今後の展望についてお聞かせください

当社は創業時に、私たちのあるべき姿として「IT HUMANWARE® COMPANY」を掲げました。IT業界は優れたハードウェアやソフトウェアによって飛躍的な進化を遂げてきました。しかし、その技術を支え、発展させるのは人の力、つまりヒューマンウェアです。今後、日本発のサービスやコンテンツがどんどん世界に広がっていくようになる。まさにエンジニアが日本を、世界を変えていく。そんな世界で私たちは、「Humanware® changes the world」を合言葉に、優秀なエンジニアの活躍ステージを提供し続けていきたい。それを国内だけでなく世界にも広げていきたいですね。

- 起業を志す人へのメッセージをお願いします

最近の若い人を見ていると、非常に優秀で真面目な反面、思い切った行動力に欠けるように感じます。メリットとデメリットを考えて無駄なことは極力避けるという、ある意味賢い選択ではあるのですが、私は若い時はもっと馬鹿になっていいと思う。自分が「面白い」と思った感性を信じて、迷ったらやってみるということが大事だと思いますね。私自身も、自分がやりたいと思った時に手を挙げたからこそ今があるわけです。起業に限らず、若いうちはとにかくたくさん引き出しを増やしていくこと。やりたいことができる環境で自分を磨いていってほしいし、当社でも若い社員ができるだけ活躍できる場を提供するように意識しています。あとは、「継続は力なり」。自分のやりたいことを諦めず、あらゆる手段で勝ち取っていくことが、生き抜く力にも繋がるのではないでしょうか。

- 失敗談や苦労話などはありますか?

大変なこともあったと思いますが、あまり気にしていません。失敗して落ち込むこともないです。私の生き方の基本は「なんくるないさ」なんですよ。常に前向き、ポジティブシンキング。あまり細かいことを気にしていると前に進めなくなってしまいますから。自分が求める理想に向かって、周りの雑音は気にせず邁進するのみです。

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