“ビジネスモデルと想いが強み今後もトップを走り続ける”

株式会社メディアフラッグ
代表取締役社長
福井康夫

インタビュー: 2014/07/07

早稲田大学法学部卒業後、旧三和銀行に入行。1995年に株式会社セブン-イレブン・ジャパンに入社し、1年間のコンビニ店長を経験。その後、3年間スーパーバイザーとして述べ50店舗を指導する。同社を退職後、2004年に流通業のフィールドマーケティング支援に特化した株式会社メディアフラッグを設立。2012年には東証マザーズ上場を果たす。

生年月日:
1968年
出身:
千葉県
出身校:
早稲田大学

- ずっと起業を目指されていたのでしょうか?

銀行、流通業界と10年以上サラリーマン生活をしていたため、何がなんでも起業という意識はありませんでした。ただ、祖父と父が経営者でしたので環境的に影響を受けていたのかもしれません。サラリーマン時代は大きな会社に守られ、安定した毎日を過ごしていたこともあり、次第に志もどこか低くなっていたように思います。ですがその反面、自分が胸に秘めていたビジネスモデルは世の中の役に立つ素晴らしいものだと、絶対の自信をもっていました。そして2004年に法の改正等で資本金1円で起業することができるチャンスが巡ってきたため、それならと思いきって起業することにしたのです。

- 起業のきっかけになったビジネスモデルとは?

サラリーマン時代、流通のノウハウをセブン-イレブンで学び、店頭でのマーケティングの重要性について痛感していました。セブン-イレブンではPOSシステムのデータを集計したものがビッグデータとなり、それを元にさまざまな戦略や販促を図っていたのです。たとえば、販促キャンペーンを6月10日からやるという場合、全店舗で例外なく9日の深夜24時を超えたら一斉にキャンペーンを始めるなど、大手だからこその徹底ぶりに驚かされることばかりでした。なぜ、それが可能だったのか?その答えこそ、ITとPOSシステムなのです。ただ、世の中にはそういったITを基軸にしたマーケティングのアドバイスや情報を受けられない10~15億円規模の小さな会社が膨大にあります。そのような会社に対して、アウトソーシングでの情報やノウハウが提供できれば、店頭での売上アップにつながるはずだと思いました。これが私の考えたビジネスモデル。必要としている会社は数多く存在する、ビジネスとして成功しないわけがない、という確信を持っていました。

- 起業後は順調な成長を遂げられたのでしょうか?

創業から4期までは赤字が続く、苦しい時代でした。その原因のひとつは、社員の離職率の高さ。社員がすぐに辞めてしまうため、社内にノウハウが蓄積せず、結果、売上に結びつかないという日々が続いたのです。当社のサービスを実現させるために必要なネットワークをもつ人材派遣会社から「子会社化したい」といわれた際に、それもいいかなと思ってしまったほど。けれどそのとき、昔からお世話になっているタリーズコーヒージャパン創業者の松田公太さんに相談したところ、絶対にやめた方がいいと助言をいただいてとどまりました。結局子会社にならないまま経営を続けましたが、その後も赤字が続き、耐え忍ぶ経験となったわけです。

- 苦しい時代を経て、経営が上向きになり始めた経緯とは?

当時の私は赤字が続く原因を、周囲のさまざまな要因や従業員のせいだと感じていました。けれど、ある出会いがきっかけでこの原因はすべて自分の責任だということに気づいたのです。その出会いとは、京セラ創業者の稲盛和夫さんが創設した「盛和塾」への入塾でした。盛和塾では、企業理念の大切さや人を育てること、起業に対する志の高さなどについて教えていただきました。なかでも、心に響いたのは「会社は社長の器以上に大きくなれない」という言葉。当時の私はビジネスモデルにこそ自信がありましたが、まだまだ経営に対する向上心が低く、リーダーシップに欠けていました。それらを猛省し、自分自身が会社、社員、全てを引っ張っていくんだという強い気持ちを初めて持ったのです。それからは、社員に対して経営理念やビジョンを語りかけ、なによりも自分自身が高い志で猛烈に働くことをはじめました。すると、少しずつ社員が定着するようになり、ノウハウが蓄積されるので生産性もアップし、売上につながるようになったのです。

- 2012年には上場も果たされましたね

実は、上場については起業時から意識していました。上場をしていないとなかなか社会的な信用が得られず、事業を拡大できないためです。当社の競合となる同業者には、20年以上前からやっている老舗の会社もありますが、上場している会社は皆無でした。そのため、「上場する=信頼を勝ち取る」と捉えたのです。具体的には創業2期目から監査法人を入れて会社を成長させる準備をしていました。あわせて、赤字が続いていた時代から当社のビジネスモデルの可能性を高く評価していただいていた多くの会社様に出資を通してお力添えを賜り、上場という目標を達成することができました。

- 今後の取り組みについて教えてください

当社は現在、三つの柱となる事業を行っています。一つ目は、当社のメインとなる「フィールド事業(覆面調査事業、ラウンド事業)」です。店舗の調査と販促支援を通して店舗・店頭の活性化を図る事業で、現在は一年間で25万件以上の店舗様(※2013年度実績)にご利用いただいています。今後5年以内に100万店舗、100億円の売り上げが目標です。100万店舗のデータをもっているということは、弊社のサービスをご利用いただく流通・小売業の会社様にとって、大きな魅力と信頼につながると考えています。二つ目は、「アジア諸国での事業展開」です。すでに上海やインドネシア、インドなどに社員を常駐させ、業務にあたっています。世界マーケットも今後ますます広がっていくことでしょう。三つ目は、「事業再生ビジネス」です。体力の落ちた流通・小売店を元気にする新規事業に着手し、拡大へと尽力しています。

- 事業再生ビジネスの具体的な取り組みについて詳しくお聞かせください

事業再生ビジネスは、埼玉県の和菓子チェーンである株式会社十勝(現「株式会社十勝たちばな」)を完全子会社化することでスタートしました。我々の強みは、流通・小売店を活性化するノウハウやデータ。それらを活かし、国内マーケットにおいて苦戦している流通・小売店が再び活力を取り戻すよう支援していきたいと考えています。そして最終的に、ITと人の力を通して日本の流通業界に新しい価値を創造することが当社のビジョンです。

- さらなる成長に向け、どんな人材を求めていますか?

当社のビジネスモデルは、必ずや世の中のためになるという信念に基づいてこれまでやってきました。そんな信念や我々のビジネスモデルをよく理解していただいて、同じ想いをもつ方にぜひきていただきたいと思っています。

- 起業を目指す人に一言お願いします

私の座右の銘は「一生懸命」。私自身の能力としては中の上ぐらいしかないと自分では思っています。35歳で起業して一生懸命働くことで、人生を切り開くことができました。今の若者は、高い能力をもった人が数多くいます。けれど大きな会社に在籍することでなかなか新しい世界へと踏み込めない人もいるでしょう。能力以上に、想いや信念をもつことは成功するために必要なことだと思います。起業は何歳からでも出来るもの。志のある人は、ぜひどんどん挑戦していってください。

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