“エコ+モバイルで北海道に、「未来の常識」を作り出す”

エコモット株式会社
代表取締役
入澤拓也

インタビュー: 2014/07/25

アメリカの学校を卒業後、クリプトン・フューチャー・メディア株式会社に就職。北海道の地でエコモット株式会社を創業する。ロードヒーティングの電源を遠隔操作する「ゆりもっと」を開発・販売するほか、「現場ロイド」「FASTIO」など、モノに通信機能をもたせて “安心”を提供するサービスを多数展開している。

生年月日:
1980年
出身:
北海道
出身校:
小樽商科大学院

- どのような子ども時代を過ごされましたか?

子どもの頃は祖父の家に住んでいて、いわゆる“おじいちゃん子”でした。秘密基地を作ったり、自作のバスケットゴールを庭に取り付けたり、今振り返るとおもいっきり創作のできる環境が整っていたと思います。わが家は、祖父も父も経営者。幼い頃からベンチャーというものを身近に感じて育ちました。家も会社の近くにあり、自分にとって経営者になることは当たり前という感覚でしたね。私は特に祖父を尊敬していて、自分もこんな人になりたいと子供の頃から憧れていました。

- ITとの出会いについて聞かせてください。

高校卒業後は、映画監督を目指していたのでアメリカに留学しました。映画だったらロスだろうと思われるかもしれませんが、僕はシアトルを留学先に選択。理由は、北海道出身の僕にとってロス=暑いというイメージが強かったためです(笑)。シアトルの大学で図書館に行ったらみんなパソコンに向かっていて、「この人たちはいったい何をやっているんだろう?」と思って見てみたら、それがEメールやチャットだったんです。興味をもった僕もパソコンを買ってインターネットをはじめました。それからは驚きの連続。とにかく「インターネットって凄い」という圧倒的な感覚がありましたね。そのうち、映画への興味がだんだんと薄れてしまい、インターネットの勉強にのめり込んでいったというわけです。

- 大学卒業後、一度就職されたのですね。

大学卒業後はクリプトン・フューチャー・メディア株式会社に就職して、携帯電話のコンテンツビジネスを手がけていました。それが携帯電話に初期状態からインストールされているプリセット音源として大手メーカーなどで使われるようになり、携帯端末の企画段階から携われるようになりました。この頃は、自分の作ったものが世に広まっていくモノづくりが楽しくて仕事にやりがいを感じていました。ところが5年程経つと、ユーザーの顔が見えない仕事に「自分は誰のために、何のために仕事をしているのか?」という疑問がわいてきました。似たようなサイトは1万以上ある…自分がこの仕事をしなくても誰も困らないだろう、まだ僕も26才…まだまだもっと大きな世界で働けるんじゃないか、という気持ちが芽生えてきたんです。この時、会社を辞めてアメリカへ戻る道も考えたのですが、起業というのも一つの選択肢と思い、起業することにしました。しかし、まだまだ勉強が必要だったので、会社経営をしながら、小樽商科大学のビジネススクールに進学することにしました。

- エコモット株式会社の誕生秘話を聞かせてください。

当時、ロードヒーティングの燃料代を節約するために、わざわざ車に乗ってロードヒーティングの電源のオン/オフをしに行っているという話しを耳にしました。これを携帯電話でできないかなと思ったことが会社設立のきっかけですね。実際に、ロードヒーティングの遠隔監視装置を作ってみると評判が良く、これは商売になるぞと実感して2007年に会社を設立。「ゆりもっと」の販売をはじめました。ちょうど2008年に洞爺湖で環境サミットが開催されるなど環境への関心が高まっていたこともあり、社名を「エコ」とモバイルの「モ」を合わせて「エコモット」としました。会社ロゴも北海道の「北」という文字の上の部分が手を合わせた形。エコ・携帯・北海道にこだわった会社というわけです。僕はかねてから“ITはツールでしかない”という考え方をしていて、ITを使って社会問題を解決したいと強く思っていました。ロードヒーティングの遠隔装置は、現地に行かずに済む上に、灯油代も節約できる。これこそ自分がやりたいと思っていた、「人の役に立っていると感じられる仕事」だと自負しています。

- 創業当時はご苦労も多かったそうですが。

最初の1年はひたすら「ゆりもっと」を売っていましたが、1、2件売れた程度でした。ターニングポイントは創業の数か月後の10月ですね。降雪シーズンを目前に控えた時期にプレスリリースをうったら、北海道新聞や日経新聞の北海道版に取り上げられたんです。そうすると問い合わせが一気に増えて、一緒にやろうと言ってくれる人も現れました。5メートル以上雪が積もる100万人都市は世界でみても北海道だけ。そういう意味で「ゆりもっと」は日本ならではのビジネスです。灯油代は今、2004年と比べて2.5倍に上がっています。人々がこれを買い続けられるのかも疑問ですし、灯油を節約できれば産油国に流れてしまっただろうお金も北海道に残りますよね。去年「ゆりもっと」で節約できた灯油代は約4億円。仮に節約した4億円を道内で消費したとすると、北海道内に8億円の経済効果をもたらしたことになるんです。

- 失敗談をございますか?

「ゆりもっと」は10月から3月が繁忙期の冬の商売です。余裕のある4月から9月に何かしようと、ソーラーパネルで動く完全無線の遠隔監視システム「ミルモット」を開発しました。春夏の北海道は農業が盛んですので、展示会やJAさんを回って農家の方に営業したんですがこれが本当に売れませんでした…。そんな困っているときに「これ、建設現場で使えるね」と指摘してくれた人がいて、建設現場の監視カメラシステムとして売ったところ、ヒットしたんです。「ミルモットは絶対に良い製品だ!」という思い込みが売れなかった理由だったのかもしれません。販路を変えれば売れることをこの失敗で学ぶことができました。

- 今後の展開を教えてください。

僕らはモノづくりが好きだけど、モノづくり企業には勝てないと思っています。東京では数千、数万単位で売れる商品も北海道では数百程度ですし、機能的な差別化も難しい。そういう意味で今まで当社が行ってきたのは、“モノづくり”ではなく“サービス”だと思っています。今はロードヒーティングと建設現場の2本立てでソリューション事業を展開していますが、今後は3本目、4本目の事業の柱を作っていく必要があると考えています。遠隔操作システムでいえば、ガス漏れ検知や子どものランドセルにつけるといったいろんな使い方ができます。「見ている安心、見られている安心」がコンセプトですね。最近になって、モノとモノが通信でつながることを「M2M(Machine to Machine)」と言うようになってきましたが、僕らはモノに通信機能を与え、魂を吹き込む作業を5年以上前からやってきました。そして、これまで培ってきたシステムの運用実績を基盤にM2Mのプラットフォームとしてやっていこうと考え、今年「FASTIO(ファスティオ)」というシステムを開発しました。

- 起業を考えている方にメッセージをお願いします。

まず、「お金を借りて学校へ行こう」と言いたいです。貯金してから行くのではなく、借りたお金を月々返しながら学ぶことがポイント。僕はビジネススクールに通って、同じく起業を目指す仲間との出会いがあり、経営で一番重要な財務を学ぶことができました。それから、「応援団を作ること」ですね。人は一生懸命頑張っている人を応援したくなるもの。だからとにかく必死に頑張って、応援したい、力を貸してあげたいなって思わせるくらいやりきることが重要だと思います。

- 座右の銘を教えてください。

「温故知新」です。当社は60代の社員が数名いるんですが、「ゆりもっと」も「現場ロイド」も年配の社員がいなければできなかったことだと思っています。当社は最先端のことを手掛けているつもりですが、昔の人がやってきたことにはかなわないと考えている部分もあります。インターネットを使って昔の知恵、労力を活かし、伝承していきたいですね。札幌は2020年には人口の3分の1が65歳以上になる都市です。たとえば、ウェブデザイナーという職業が以前はなかったように、高齢化する北海道に新しい職業を生み出したいし、最先端のテクノロジーを使って“未来の常識”を作りたいと考えています。

- 御社の社員として求める人物像を教えてください。

今現在は、オープン系のシステムエンジニアを募集しています。北海道は受託サービスの企業が大半ですが、当社は自社サービスですから、自分から何か発信したい、モノづくりをしたいと思っている人が向いていますね。それから北海道で働きたいというこだわりを持った人も歓迎です。海も山もある自然たっぷりの環境ですから絶対に良い仕事ができますよ。何より、世のため人のために仕事をしたいという熱い想いをもっている方と一緒に働きたいです。

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遠隔監視システムを通じ、目視に... 詳細を見る
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