“正しい経営で業績を伸ばす、介護事業の先駆者”

メディカル・ケア・サービス株式会社
代表取締役社長
高橋誠一

インタビュー: 2014/08/01

家業である米販売業を継ぎ、15年間で43店舗まで事業を拡大。30歳のときに不動産業に着手し、現在では不動産事業、賃貸管理事業、介護、医療といった様々な事業を手掛け、三光ソフランホールディングスグループの代表を務める。なかでもグループホーム運営をメインに行うメディカル・ケア・サービス株式会社は、顧客目線に立った経営で着実に業績を伸ばし、現在全国で250以上の事業所を展開している。

生年月日:
1945年
出身:
埼玉県
出身校:
東京電機大学

- 以前から起業には興味をもっていましたか?

実家が米屋をやっていたので、商売は身近に感じていました。ただ、米屋を継ぐつもりはまったくなく、高校を卒業したらもっと違うことをやって億万長者になろうと思っていました。高校の先生からは大学に推薦で入らないかと言われ、それなら自分で勉強して入ってやると推薦を断って試験を受けたのですが、あえなく不合格…。その後、1年浪人して入ったのが、1年前に推薦された東京電機大学でした。大学卒業後は大手電機メーカーに就職が決まっていましたが、実家の米屋に新しい従業員がなかなか決まらず、入社の前日まで悩んだ末、5年だけと心に決めて米屋を継ぐことに。米屋はすぐに軌道にのり、一番多いときで43店舗にまで増やしましたが、米屋という事業でこれ以上大きくなるのは無理だと思い、不動産事業を始めることにしたのです。

- 不動産事業でも成功をおさめていらっしゃいますね

不動産事業では、16年前にアパマンショップをつくり、1年5ヵ月で上場を果たしました。その後、賃貸管理業なども始め、現在は15社を経営し、すべて黒字化しています。グループホームを運営する介護事業に着手したのは、2001年6月。けれど最初、4行の大手銀行に事業資金を借りに行っても、まったく聞く耳をもってもらえませんでした。そこで、信用金庫に行って「信用金庫というのは、地元の皆さんのためにあるんですよね。だったら2億円、貸してください!」とお話し、私が担保の保証人になるという条件で融資がおりました。最初は2億円の保証人なんてと思いましたが、信用金庫の支店長から「高橋さん自身はこの事業が成功すると思っているんですよね?」と言われ、私も「もちろんです」と返し、保証人になったというわけです。

- その後、グループホームを次々と運営されていますね

2棟目のグループホームでも、銀行は首を縦にふらず、再び信用金庫が融資をしてくださいました。けれど3棟目の建設に入ると、うちに実績があること、市場的にも介護施設事業が伸びていることから、大手銀行4行から融資したいという申し出が出るほどになりました。これには驚きましたが、おかげで順調にグループホームを増やし、現在では全国に250以上の事業所を運営できるまでになりました。ただ、これで満足しているわけではなく、今後は中国やシンガポール、マレーシアなど、アジアのマーケットへと事業を拡大する予定です。

- お客様から御社のグループホームが選ばれる理由とは?

大きな理由は2つあると思います。1つ目は、我々のホームが1人あたりの面積を10坪程度と広めにとっていることでしょうか。たいていのグループホームは建築コストを抑えるために少し窮屈な室内となっていますが、我々のホームは、廊下やホール、食堂などをゆったりと構成しています。したがって、リラックスできる自宅のような空間を実現し、快適に過ごしていただくことができるのです。2つ目は、食事の美味しさだと思います。入居者の方々はホーム内で過ごすことが多いため、食事が何よりの楽しみ。献立は、本部と管理栄養士が考えていますが、材料については施設ごとに近所のスーパー等で購入して作っています。そうすることで、新鮮な地元の旬の食材が手に入りやすく、コストを抑えても美味しい食事をご提供することができるのです。このように我々のホームは、施設の快適さ、料理の美味しさといった満足感が高く、且つお手頃な価格帯で入居できるホームを実現しているため、多くの方々が利用しやすいと感じていただけているのではないかと思います。

- 介護事業をはじめ、グループ全社が順調に伸びていますね

実は30代半ばまで、もっと儲けたいと思い、事業をしていた頃がありました。けれど、そう考えれば考えるほどうまくいかない。そこでありとあらゆる経営の本などを読み、たどり着いた答えが「儲かるか?」「儲からないか?」で考えるのではなく、「正しいか?」「正しくないか?」で判断しようと心を決めたのです。儲かる方を選ぶと、一時的に売上は上がりますが、長くは続かない。反対に正しい方を選択すると、儲けは少ないが持続的に利益がでるので、大きな視点でみるとプラスとなり、事業が常に伸び、グループ全体の成長につながる。また、正しいか正しくないかを判断基準にすると、ある程度、事業が軌道にのれば従業員に決定権を与えて任せられるのです。正しい方を選べばいいわけですから、決断もしやすい。そして私自身は事業を人に任せて、また新規事業に取り組むことができる好循環を生むというわけです。

- 経営で大事にしていることを教えてください

会社を私物化しないことですね。自分で会社を大きくすると、それを自分のもののように思ってしまいがちですが、会社は個人のものではありません。そういう姿勢でずっと経営していましたので、先日、国税の方々が40名、30日間かけて当社にいらっしゃいましたが、ひとつも問題はありませんでした。つまり、不正がゼロということ。私自身はもちろん、各事業を取り仕切る従業員も決定権をもっていますので、いつも誠実に仕事に取り組んでくれています。最初から従業員を信用して決定権を譲っているので、みんなが信頼で結ばれ、不正など起こるわけがない。あと、自分が楽しいと思うことは、どんどんお客様に対して提供したくなる性分なので、年に6回、宝塚を貸し切ってお客様を招待するのも、私の楽しみのひとつです。

- 御社ではどんな人材を求めていますか?

やる気があって、将来独立したいという人は大歓迎です。当社では、実力次第で責任のある立場を任され、経験を積むことができる環境があります。また、私の好きな言葉に「一期一会」「継続は力なり」があるのですが、人の出会いを大切に与えられた場でねばり強くがんばれば、きっと道は開けます。私は百握りという、とても縁起のいい手相なんだそうですが、本当にいい出会いに恵まれて事業に没頭でき、いつも今が一番楽しいと感じています。そんな事業の楽しさを1人でも多くの人に伝えたいと思いますね。

- 今後の計画について教えてください

今後の計画は、グループホームのそばに保育園をつくることですね。ご高齢者は、小さなお子さんを見るだけで、本当にうれしそうな顔をされる。子供とご高齢者がふれあえるような機会をつくることがとても重要だと思い、2015年4月1日より90人の保育園をスタートします。また、今年は我々にとって海外事業の夜明けと言っています。介護の老人ホームでは、中国、シンガポール、マレーシアに進出し、サービスアパートメントでは、ミャンマーで4月にオープン、その後はインドネシア、ハワイにも出店を予定しています。そして、数年以内にグループ企業の総売上目標1,000億円達成を目指し、皆さんに喜んでいただける事業を通じて、さらに飛躍していきたいと思っています。

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