“メールの高速配信技術を武器に国内トップSaaSベンダーを目指す”

ユミルリンク株式会社
代表取締役社長
清水亘

インタビュー: 2014/08/22

1971年滋賀県生まれ。元々ITとは無縁の企業に就職したが、2000年頃IT業界へ転職。2002年にユミルリンク株式会社に入社し、メッセージング事業の統括責任者として主力事業の成長を牽引。2008年に代表取締役社長に就任。メールメッセージング製品・サービスを中心に、使いやすさにこだわったアプリケーション、システム開発に力を注ぐ。

生年月日:
1971年
出身:
滋賀県
出身校:
大阪社会体育専門学校

- 生い立ちについてお聞かせください

出身は滋賀県です。滋賀県といえば琵琶湖ですが、ほかにも川や海で遊んだりと、小さいころから水に触れることが好きでした。今でもそれは変わらず、休日にはよく釣りに出かけています。高校までを滋賀で過ごし、その後進学で大阪へ。卒業後も関西で就職しました。

- ユミルリンクに入社されたきっかけは?

卒業して初めて入社したのはサービス系の会社です。ビジネスホテルを転々としながら、全国津々浦々を回っていたこともありました。しかし2000年頃、飛躍的に成長するIT産業に大きな魅力を感じ、メール配信系のIT企業に転職を決意。その後30歳になった頃に、さらに大きい市場で勝負したいと考えて上京し、縁あってユミルリンクに入社しました。インターネットによるコミュニティシステムの開発に携わり、メールというツールが構築するコミュニケーションの可能性を広げていきたいと考えたのです。

- どのような経緯で社長に就任されたのですか

ユミルリンクに入社後は、システム開発の営業担当を経て、メッセージソリューション事業の統括責任者を務めていました。転機が訪れたのは2008年です。それまでの当社は、親会社や株主に恵まれていたこともあり、急速に事業の多角化や規模の拡大を進めていました。しかしその反面、財務面や組織面に脆弱さがあり、ソフトウェアサービスを展開するうえで一番の財産である人材が、どんどん離れていってしまうような状況だったのです。このままではお客様との約束を守れなくなってしまうのではないかという危機感もありましたし、社員を守らなければという思いもありました。現状をどうにか打破しようと、当時の親会社社長や副社長と話し合い、その中で徐々に代表就任という話が具体化してきたのです。

- 就任当時の思いをお聞かせください

実ははじめは、期間限定で社長を務めさせてもらおうと思っていたんです。どうにか組織を立て直し、伸ばしていきたいという一念でした。状況を改善し、組織として成長するための土台を作る、その立て直しの期間だけ陣頭に立つ決意でした。

- どのように改善を進めていったのですか?

まず改善すべき問題は離職率の高さでした。ですから、会社としてどこに向かうのかという目標設定を明確にし、社員全員のベクトルを同じ方向に定めることに、もっとも力を注ぎました。その頃はちょうど事業においても転換期を迎えており、主力事業であるメール配信サービスに集中していこうとしていた時期でもありました。市場における自分たちの存在価値とは何か、その中で何を目指し、どのようなサービスを展開していくのか。それを繰り返し・繰り返し徹底して周知させていきました。そうやって作り上げたのが、「価値の高いサービスの創造と提供を通して社会に貢献し、常に期待される企業を目指す」という企業理念と、6つの行動指針です。この思いを社員全員が共有することで、離職率も徐々に低減しましたし、新卒採用も開始して、人材育成が順調に回り出しているという実感があります。

- 社内で大切にしている文化などはありますか?

やはり技術力が中心になる会社ですから、社員には、こだわりを持って何かを追求する姿勢を大切にしてほしいですね。自分の強みを持つことは、進歩する技術や知識の吸収にもつながります。それぞれの得意分野や興味のあることに向かって、力を思う存分発揮できるような、自由度の高い環境でありたいと思っています。同時に重視しているのが「最後までやり抜く」ということ。それは、会議の場や社員とのコミュニケーションの中でも強く意識しています。社内でのコミュニケーション活性化の一環として、フットサルやバーチャルゴルフ、ゲームなど社内のサークル活動を支援しており、去年からは書道も始めました。ITと書道というのはいわば対極にあるような存在ですが、その中でこそという新たな発見も多いですね。

- サービスの特徴についてお聞かせください

私たちが提供しているのは、SaaSとよばれるBtoBのインターネットシステムサービスです。特に主力事業であるメール配信システムは、ユーザーコミュニケーションのためのツールとして、多くの企業や自治体に評価をいただいています。当社のこだわりは、大規模かつ高速なメール配信を、リーズナブルに提供すること。そしてそれが、いかに使いやすく、分かりやすいサービスであるかということです。持ち得る技術に工夫を重ねることで、効果は劇的に変わります。社名にも「つながり」を表す「リンク」という言葉が入っているように、当社は人や知識のリンクを目指しています。インターネットを通じたさまざまな情報提供によって、企業や自治体と消費者との間のコミュニケーションをサポートしていきたい。そのサービスの幅を広げるために、新たなソフトウェアサービスの開発も進めているところです。

- 今後はどのようなビジョンをお持ちですか?

日本を代表するソフトウェアサービスベンダーになる、という目標を掲げています。そのためにも、まずはサービスの領域や事業規模の拡大を目指します。拠点も、現在は東京と大阪の2ヶ所ですが、将来的に増やしてゆく予定です。

- 起業を志す人へのメッセージをお願いします

起業を目指す人というのは、もうその時点ですでに志を持っているはずです。ではその次に何が必要かというと、やはり「すべてから学ぶ」という姿勢ではないかと思います。周りの人や環境、自分を取り巻くすべてものから学ぼうという、ある意味謙虚な気持ちを持つようにすれば、自分の志や言動を客観的に顧みることができるのではないでしょうか。私も代表に就任してから学ぶことばかりです。その積み重ねが、自分の理想の実現に近づいていくのだと思います。

- 座右の銘を教えてください

「憤(ふん)の一字は、これ進学の機関なり。舜(しゅん)何人ぞや、予(われ)何人ぞや、とはまさにこれ憤なり」。江戸時代の儒学者、佐藤一斎によって書かれた『言志四録』にある言葉です。「憤」とは発憤、「進学」とは学問のことです。何事も発憤する気持ちを持って取り組むことが、事業の発展につながるのだ。そう考え、座右の銘の一つにしています。一瞬一瞬をいかに大事にできるか、今をどれだけ一生懸命に生きられるか、というのは、仕事に限らず全てにおいて大切にしている考え方です。

他の経営者インタビュー

優秀な「個」の力を結集し、世界のトップERPベンダーへ

株式会社ワークスアプリケーションズ
牧野正幸

次世代のマーケティングに向かって加速する

シナジーマーケティング株式会社
谷井等