“毎日コツコツとファン目線に立って記事を発信”

株式会社ナターシャ
代表取締役
大山卓也

インタビュー: 2014/03/14

1971年7月25日、北海道札幌市生まれ。北海道大学文学部卒業。大学卒業後に日本マクドナルドに就職、その後、株式会社メディアワークス(現KADOKAWA)にて7年間雑誌・webの編集を手がける。その後フリーランスの編集者としての活動を経て、2005年に代表取締役として音楽ニュースサイト「ナタリー」などを運営する株式会社ナターシャを設立。

生年月日:
1971年
出身:
北海道
出身校:
北海道大学

- どんなお子様でしたか?

小学生の時から音楽が好きで、「ザ・ベストテン」を観たり、ラジオを聴いたり、歌謡曲やロックなどいろいろ幅広く聴いてました。アニメや漫画も好きでしたね。それを特に仕事にしようとかは考えてなかったですけど。高校時代はあんまり勉強はできなかったと思います。普通に赤点とってましたし。当時バンドブームだったんで、自分でもちょっとバンドやってみたり。でもそれもプロ目指したりとかじゃないです。大学に行ってからもテレビゲームや麻雀ばかりやっていて。特に目標もないし意識も高くない、パッとしない学生でしたね。

- 今の仕事にたどり着くまでの経緯を教えてください。

新卒で上京して、最初マクドナルドに就職して、店舗でポテト揚げたり、お金数えたりとかいろいろやってましたね。今思うとホントにぼんやりしてて何も考えてなかったです。だから2年ぐらいで何となく辞めて、そこからしばらく無職で失業保険もらって暮らしてたんですけど、お金がなくなり、で、仕事しなきゃなっていうことで、たまたま求人広告で見つけたゲーム雑誌の編集部に拾ってもらって、そこで初めて編集の仕事っていうのを学びました。編集部時代は忙しかったですよ。何もわからないなか、一個いっこ仕事を覚えて、毎号本を作って。徹夜の連続でしたね。飲食業は続かなかったけど、編集の仕事は向いてたみたいで、楽しかったです。で、編集部を辞めて、1年間フリーランスでライターやったり編集やったりしてました。でもやっぱり1人でできることにも限界があるし、その頃ナタリーみたいなものをやりたいなって思いついてしまったのでじゃあやってみるか、と。ナタリーをやるために立ち上げたのがこの会社で、起業家マインドみたいのとか全然ないですよ。なんの展望もなく収入もなく。ネットで知り合った友人2~3人とアパートの1室を借りてっていうところからだったんで。「ナタリー」は、フリオ・イグレシアスの「黒い瞳のナタリー」って曲が、別に好きだったわけじゃないんですけど、まぁなんか語感が可愛くてキャッチーだなあってつけただけで。ナタリーをやるための会社だから「ナターシャ(ナター社)」っていう。ダジャレですね、ただの。

- いわゆるサブカルチャーシーンで「ナタリー」が大きなポータルとなっている要因はどのようにお考えですか?

単純な規模の話で言うと、ナタリーは今も別にそんなに大きくないと思ってます。もっとページビューの多いサイトはたくさんあるんで。ただそうですね、1つにはやっぱりファン目線に立って記事を発信していくことをスタートの時から今に至るまで心掛けているので、そこで音楽とか漫画とかお笑いが好きな方に共感してもらえるのかなっていう感じはありますね。プラス、ある程度支持をいただいてるとしたら、毎日コツコツ記事書いて更新してっていうことを地道にやってるからじゃないですかね。派手さはないし、ニュースメディアとしては当たり前のことなんですけど、そこが自分たちの土台になってるのかなとは思います。

- 「ファン目線」という独特のカラーは意図的にブランディングされているのですか?

もともと音楽や漫画やお笑いが好きな人たちが集まってる会社で、そういうスタッフしかいないんですよね。自分たちがファンだから、アーティストとか漫画家さんとか芸人さんとかに対するリスペクトの気持ちが強いし、だからおのずとファン目線になってしまうというか。ビジネス的な話で言えば、もっと貪欲に、本当は、なれればいいのかもしんないです。そこはたぶんいいことばっかじゃなくて。僕らの弱いところだとも思います。でも実際、すごく今いい音楽多くないですか? 僕が音楽ナタリーの編集長をやってるから特にそう思うのかもしれないけど、聴ききれないくらいにいい音楽が多くって毎日メチャメチャ面白い。だから僕らがやるべきことは「ここにこんなに面白いものがありますよ」って情報を、ただ右から左に伝えるだけなんですよ。ただ僕らがファンだから、こういうとこが大事だよね、とか、ここを重点的にちゃんと書きたいなとか、そういう視点で取材をしたり記事を書いたりっていうのは心がけてます。ああ、だからそう考えると右から左ってわけじゃないですね(笑)。

- 会社の中で大切にしている文化は?

そうですね、特にないんですけど、あるとすれば、「みんな毎日会社に来てる」。言葉にするとバカっぽいですね。「そりゃ来るだろ」みたいな話で。でもまあ非効率ですよ、すごく。わざわざ会社来るんだみたいな。本来、このwebのライティングとか編集の作業とか、在宅でもできる仕事だし、どこにいてもできると思うんですけど、それをちゃんと出社して顔つき合わせて仕事をすることで、何か見えてくる。なるべく同じ感覚を共有しながらやっていけたらっていうのは思ってます。それが「ナタリーらしさ」っていうことになるのかもしれないですね。

- 今後の展開についてお聞かせください。

ないですね。今後、新しいことをやらないわけではないけど、具体的に何か決めてるわけでもなくて。そんなにちゃんと計画を立てて物事を進めたことがないんです。メディアをやってる以上、たくさんの人に観てもらいたいという気持ちはあるので、まあさらに大きく、濃く、できたらなっていうのは思ってますけど、濃いとこだけを狙いたいわけでもないんですよね。だからよく聞かれるんですけど、目標みたいなものはうまく言えなくて。すいません。まあでも一時みたいなお笑いブームも一段落しましたし、漫画だって雑誌が売れないとか、音楽もCDが売れない時代だとか言われて、僕らが扱ってる業界はどこも厳しい状況だ、というふうに言われがちなんですけども。まあでもその中でも良い作品やアーティストはたくさんいるのでそういうシーンを盛り上げるお手伝いを僕らが何かできればなあというのは、ありますね。

- 起業を志す人へのメッセージをお願いします。

このビジョナリーっていうのは、起業家の方とか経営者の方が載ってるサイトなんですよね? それでいうと僕は起業したいという気持ちが特になかったのでメッセージとか言える感じじゃなくて。「起業したいから何をやればいいか考えなきゃ」ていう人のマインドがわからない。僕の場合ナタリーをやるために、面倒くさいけど会社作るかっていう感じだったので。でも1人じゃできないのはわかってたので、その時にまあ友達がいて、一緒にやろうかって話になった。まあそういう意味では出会いとかタイミングは良かったのかなと思うんですけど。

- 座右の銘があれば、教えてください。

そういうのもないんですよね。なさそうでしょ? (笑)。聞かれるかなと思って考えてたんですけど、全然思いつかなくて。僕も普段は自分でインタビューとかをする側なので。こういう質問にうまいこと答えたいとは思ってるんですけど。いや、やっぱり出てこないですね、そういう何か。座右の銘とかなくても毎日がんばって働いていればどうにかなるだろうっていうくらいです。気の利いたこと言えなくてほんとすみません(笑)。

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