“誰でもできる「玄米生活」で世の中を変える”

株式会社結わえる
代表取締役
荻野芳隆

インタビュー: 2014/04/25

学生時代から世界各国、日本全国を訪れ、価値観の違いや貧富の差を感じ、日本の良さを再認識。大学卒業後、株式会社船井総合研究所に入社。「食、健康、医療、美容、伝統産業」分野のコンサルタントとして実績を残し、文科省許可財団認定資格「健康・食育マスター」の立ち上げ、認定講師として全国に300名以上の卒業生を輩出。2009年「株式会社結わえる」を創業。企業向けに“玄米ごはんの一汁一菜弁当” 宅配サービスを開始。同年11月、食・健康のコンセプトを体感できる店舗「蔵前 結わえる」をオープン。その他、通販事業、農業生産、法人向け研修、講演活動、個人向けカウンセリングなどを行う。「正しい事を伝えることが正しい事ではない!誰もが出来る事を伝えることが正しい事だ!」の信念を持ち、誰でもできる「玄米生活」を提案している。なにより、本人が無類の酒好き、旨いもの好き。話題の書籍『好きなものを食っても呑んでも一生太らず健康でいられる 寝かせ玄米生活』(2013/6)、『寝かせ玄米で七号食ダイエット』 (生活シリーズ) (2014/1) の著者でもある。

生年月日:
1980年
出身:
埼玉県
出身校:
明治大学

- 学生時代はどのように過ごされていましたか?

外遊びが好きで朝から晩まで遊んでいました。高校から大学卒業まで様々なアルバイトを経験し、特に飲食店のキッチンが長かったです。高校2年生のときに初めて、ほぼノープランのアメリカ1ヶ月一人旅をしてとても良い経験になったことをきっかけに、大学に入ってからもアルバイトでお金を貯めて海外旅行に行くことを繰り返していました。休みの度にヨーロッパやアジアなど世界20ヵ国以上を旅して、最終的に「日本は食事が美味しくて、自然が豊かで、いい人が多くて、安全で、こんなに良い国はない!」と思うようになりました。それからは、ワンボックスカーに乗って北海道から沖縄まで47都道府県を旅しまくりました。

- 起業のきっかけをお聞かせください

地方や農業はどんどん廃れ、僕が気に入っていた味噌屋も酒蔵も潰れてしまい、そんな地方や伝統産業を何とかしたい!と大学時代から思うようになりました。自分で会社を起こそうとは決めていたのですが、何をやるかを決めていなかったので、「多くの経営者と出会える仕事」という観点から中小企業をメインクライアントにしている船井総研さんに入社しました。クライアント企業の社長と一緒に会社全体のコンサルティングを行ったとき、経営についても学ぶことができました。そして伝統食品メーカーを担当していたとき、東洋医学の専門医、食事療法士の方と知り合うことができ、ガンや糖尿病、高血圧、アトピーが治るのを目の当たりにして興味がわき、先生に付いて勉強していくと、食べ物が健康に関係するのはもちろん、僕らの食生活次第で世の中が変わることがわかったのです。地方の農業や伝統産業が廃れるのは、僕らがそれらを選ばないから。肉の生産は大量の穀物を餌として消費するため、地球上で生産される穀物は60億人で分配しても食べきれないほどなのですが、今約10億人が飢餓に苦しんでいる。そして鳥インフルエンザやBSEが発生する。食生活は健康問題、農業問題、環境問題などにつながっていて、これを変えない限り問題は解決できない。この問題をなんとか解決しようと考え、「玄米」というひとつの答えにたどり着きました。「玄米」は主食の穀物でありながら、人間に不可欠なビタミン・ミネラル・食物繊維がいっしょに摂れるので、とても効率の良い食べ物です。たとえるなら、白米と野菜をいっしょに食べているようなもの。ただ、玄米はパサパサしていて固くて美味しくない。この大きな問題を解決しようと立ち上げたのが今のビジネスです。

- 貴社の活動内容をお聞かせください

今は「寝かせ玄米」を中心としたライフスタイルを広げる活動をしています。健康を創る食事をベースにしていれば、好きな食事をたまにしても大丈夫だという「ハレ」と「ケ」の『メリハリ玄米生活』を提案しています。食や健康について勉強した人は、マクロビオティック、ナチュラル、オーガニック系に走り、肉や魚、お酒やタバコはダメ、正しいのは玄米菜食!となりがちですが、これでは多くの人は実行できません。肉は食べたいし、毎日お酒も飲みたい。100点満点の正しいライフスタイルは現実的ではないのです。「寝かせ玄米」にすると、誰でも簡単にもちもちで美味しい玄米を炊くことができます。僕自身、ナチュラルで健康的な人間に見られますが毎日お酒は飲むし、寿司、ラーメンが大好きです。そんな僕でもできる相当わがままなライフスタイルです。社名の「株式会社結わえる(ゆわえる)」には、日本の伝統的生活文化と現代とを結びつけるという意味があります。過去の良いところを現代に取り入れ、現代人に合うようにちょっとアレンジする。たとえば、昔の一汁三菜だと質素すぎるので「寝かせ玄米」に、おかずにもなるような具だくさんの汁物、それに魚や肉をつけた定食メニューを蔵前の店舗で出しています。蔵前の店舗は、昼は玄米定食、夜はお酒を出している飲食店なのですが健康サロンも併設していて、個別の健康相談のために健康診断用のいろいろな測定機器が置いてあり、利用されるお客様が増えているんですよ。

- 社内で大切にしている文化は何ですか?

「ハレ」と「ケ」という考え方は、そもそも日本の伝統文化にあったものです。「ケ」の日常は質素でも、冠婚葬祭や年中行事の「ハレ」の日は特別な料理で食えや唄えやと楽しんでいました。でも現代人は、そのバランスが取れていない中途半端な「ハレ」の食事を毎食とっています。ですから、「ハレ」と「ケ」の『メリハリ玄米生活』の提案で世の中の一食一食を変えていきたいと考えています。「あなたのからだから」という弊社のコーポレートメッセージには、「まずはあなた自身のからだから健康にすることでいろいろな問題を解決できますよ」という意味が込められているんです。メンバー皆がこのライフスタイルを実行し、伝えたいと考えながら業務に就いてほしいと思っています。

- この5年間で苦労した事は何ですか?

最初は、オフィス街に勤めるビジネスマンをターゲットに『メリハリ玄米生活』のライフスタイルを伝えようと弁当事業を始めました。「寝かせ玄米」と「具だくさんの汁物」の弁当を届けていたのですがなかなか難しく、提案内容まで伝わりませんでした。そこで直接提案できる飲食店にしてみたら好結果で、webでの発信も意外と伝えられたのでネット通販にも注力するようになりました。いろいろな手法を試みるにはお金も時間も人もかかり、これで行こうと固まるまでの試行錯誤の繰り返しは大変でした。

- 今後の展開をお聞かせください

「寝かせ玄米」はオンリーワンであり、健康的なライフスタイルを実現するために欠かせないものです。ですから、今年は新たに「寝かせ玄米」の炊飯工場をつくり、レトルトパックを売り出します。それと、「寝かせ玄米のおむすび屋」をオープンさせます。東京オリンピックの開催までに、都内に20店舗を出店する目標です。また、来年も本を出す予定です。「寝かせ玄米」を食べる人が増えて目標の40%になったら、いろいろな社会問題もほぼ解決できるだろうと思っています。

- 起業を考えている方にメッセージをお願いします

経済資本主義の時代が終わり、新しい持続可能な社会の時代に入りつつある今が、チャンスの大きな時代だと思っています。今後、地球上の100億人が幸せに生きていけるライフスタイルに変わっていくはずなので、私たちのような潜在化したニーズを提供するビジネスにはすごいチャンスがあると思います。たとえば、林業や水産業などのどんな分野でも今までとは違うやり方が大切で、持続可能な社会を作るためのビジネスにチャンスがあると思います。

- 座右の銘はありますか?

「常識を疑え」です。何事にも疑問を持つことが、商売の種になるし、何かを学ぶ学問の種にもなると思います。

- "「寝かせ玄米」とは"

100%玄米と小豆、少々の天然塩を特殊な圧力鍋で炊いてから、3〜4日間熟成させたもちもちの玄米ごはんのこと。株式会社結わえるの登録商標です。

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